【来週の注目材料】堅調な雇用市場が利上げ期待を支える~米雇用統計

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 早いもので2018年も半分が過ぎました明日から7月がスタートということで、月初恒例ビッグイベント「米雇用統計」(6月分)が6日に発表されます。

 先月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、今年二回目の利上げを実施した米国。
その際に示された参加メンバーによる経済成長・物価・失業率・政策金利見通しにおいて、経済成長や物価の上昇見込みと、年内追加利上げ見通しの引き上げなどが示されました。
 もっとも金利市場での年内追加利上げ見通しは、あと1回が6割以上と年あと2回が大勢になったFOMCとは違った織り込みとなっています。それだけに、今回の雇用統計をはじめ、米国の重要指標の動向に対する注目度が高まっています。
 
 米FRBは77年の連邦準備改革法(もっと言うとその源流は1946年の雇用法)により、雇用の最大化・物価の安定という二大責務が定められています。(正確には穏やかな長期金利というもう一つの使命がありますが、先の二つが達成されれば実現されるという考え方が一般的です)
 そのため、見通しが現状で別れる今後の米政策金利の動向を見越すうえで、雇用統計の重要性はいつも以上に高まっています。

 前回5月分は非農業部門雇用者数(NFP)が前月比+22.3万人と予想の+19.0万人を超え、20万人の大台も超える好結果となりました。4月分、5月分の数字も上方修正(計1.5万人分)されるなど、かなりの強い数字となっています。

 失業率は4月からの据え置き(3.9%)に対して1%ポイント低い3.8%に低下。この水準はITバブル真っ盛りの2000年4月以来の低水準となっています。

 もう一つの責務である物価との関連もあって注目を集める平均時給は前月比+0.3%、前年比+2.7%とこちらもともに4月分から上昇する好結果に。

 こうした米雇用市場の堅調さが、6月のFOMCでの利上げを盤石なものとし、成長見通しの上方修正につながったとみられています。

 そうした状況を受けて今回ですが、非農業部門雇用者数が+19.8万人と前回からは鈍化見込みも、節目である20万人に近辺とまずまず。失業率は3.8%の水準を維持する見込み、平均時給は前月比+0.3%、前年比+2.8%とともに前回を超える水準が期待されています。

 全般にかなり強めの数字が予想されているという印象。

 予想通りもしくはそれ以上の数字が出てくるとドル買いに拍車がかかる可能性も。

 関連指標となる数字にも注意したいところ。特に2日のISM製造業(予想58.0、前回58.7、雇用部門の前回56.3)や5日のADP雇用者数(予想19.0万人、前回17.0)、同ISM非製造業(予想58.0、前回58.6、雇用部門の前回54.1)などは要注意です。

山岡和雅

minkabu PRESS編集部 山岡和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行。1994年ロイヤルバンクオブスコットランド銀行(旧ナショナルウェストミンスター銀行)移籍。10年以上インターバンクディーラーとして活躍した後にGCIグループに参画。2016年3月よりみんかぶグループに入り、現在、株式会社みんかぶ編集部外国為替情報・商品先物情報担当編集長。(社)日本証券アナリスト協会検定会員 主な著書に「初めての人のFX 基礎知識&儲けのルール」スバル舎、「夜17分で、毎日1万円儲けるFX」明日香出版社など