【NY市場】欧州通貨売りでドル円は底堅い推移

きょうのNY為替市場、欧州通貨の売りが続いており、相対的にドルは買われる展開が続いている。ドル円は東京時間やロンドン時間には伸び悩む動きも見せたものの、113円台はしっかりと維持しており、21日線付近での推移を続けている。序盤は米株が買い戻されていたことも安心感を呼んでいたようだ。

きょうは米中貿易問題への懸念が緩んでいる。中国の劉鶴副首相がムニューシン米財務長官やライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と電話で協議し、中国は自動車関税を40%から15%に引き下げる方向で動いていると伝わっている。今月初めにトランプ大統領が表明していた通り。

CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、来年の利上げはあっても1回との見方が有力となるなか、米利上げ期待は依然として後退したままだが、欧州通貨の弱さがドル以上に目立ち、ドル円をサポートしている模様。ただ、上値は依然として重く114円台を再度目指す動きまでは見られていない。

ユーロは売りが強まり、ユーロドルは1.13ドル台前半まで下げ幅を拡大。21日線をブレイクし、ストップを巻き込んで下落した。ドイツ国債の利回り低下がユーロを圧迫。逆にフランス国債が売られ利回りが上昇しており、ドイツ国債への資金シフトが見られている。リスク回避の動きではある。

マクロン仏大統領は全土に広がった「黄色いベスト」運動を踏まえ、2019年の燃料税増税を見送っており、EUとの公約だった財政再建も失速しそうだ。仏政府は来年の予算案に大型法人減税を既に盛り込んでおり、財政赤字はGDP比2.8%と、EU規則の上限である3%近くに膨らんでいる。ここに来て、イタリア同様にフランスにも財政への不透明感が強まっている。

ポンドも下値模索が続いており、ポンドドルは1.25ドルを割り込んだ。与党・保守党内で明確な離脱を主張するユーロピアン・リサーチ・グループ(ERG)の48名から、党内の1922年委員会に対し、メイ首相の不信任を示す書簡が提出された。1922年委員会は保守党内で重要な組織の1つで、議員の意見や動向を党首に伝える重要な機能。人数が以前よりも増えており、メイ首相の党首としての不信任投票まで発展するか警戒される動き。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

野沢卓美 | minkabu PRESS編集部

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