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今週の見どころ  ECB理事会、米国雇用統計等

【著者】

先週からの流れ

先週は米国でGDP改定値を含む経済指標が続きました。GDP改定値が市場予想通りとなったほか、強弱入り乱れる結果となりましたが、米国の年内利上げ開始観測を動かすほどではありませんでした。後半に米国が祝日であったことや今週に大きなイベントを控えていたこともあり動意は薄く、各通貨の値動きは地味なものとなるなか、米ドルがジワリと上昇する動きとなりました。

また、ECBの追加緩和が意識され、ユーロは軟調、また、ECBの追加緩和に対応したスイス国立銀行(SNB)の動きを警戒したスイスフラン売りが目立っています。

主要通貨の強弱
先週の主要通貨の強弱

イエレン議長のコメント機会  2日(水)22:30〜講演 3日(木)24:00〜議会証言

今週は2日(水)に講演、3日(木)に議会証言とイエレン議長のコメント機会が予定されています。市場では年内の利上げ開始の折り込みが進み、注目点は利上げ後の利上げペースへと移行しつつあります。市場は現在、利上げが開始されていないこともありますが、緩やかなペースの利上げを織り込む程度となっています。そのため可能性はそれほど高いとは言えませんが、イエレン議長のコメントから利上げペースに関しての言及があり、市場の想定と乖離が大きいようであればサプライズとなり、ドルが大きく上下に振れる可能性があります。

ECB理事会 3日(木)21:45政策金利発表22:30〜ドラギECB総裁記者会見

市場では既に今回の会合で追加緩和が行われることは想定済みと考えられ、市場の関心は利下げの有無、先日報道のあった2段階のマイナス金利の導入の有無、その他緩和の規模に集まります。ドラギ総裁の記者会見も、さらなる緩和余地への言及などに注目が集まり、政策金利発表から、ドラギ総裁の会見前後はユーロを中心に不安定な相場が続くことが想定されます。
先行して発表されるドイツ、ユーロ圏の消費者物価指数も結果次第では追加緩和規模への思惑を生む可能性があり、反応が大きくなる可能性があるため、注意したいところです。

また、併せて警戒が必要なのはECBの緩和に併せてアクションを起こす可能性のあるスイス国立銀行(SNB)の動向です。追加利下げや対ユーロでの介入など何らかのアクションの可能性が挙げられ、スイスフランも神経質な動きが続きそうです。

米国雇用統計 4日(金)22:30〜、その他米国経済指標

今週はECB理事会の陰に隠れ、存在感の薄い米国雇用統計ですが、12月利上げ開始に向けての最終関門とも言え、やはり注目度は大きいと考えられます。しっかりと非農業部門雇用者数変化が安定推移となり、賃金の上昇を確認できるかどうかを中心に市場に大きなインパクトを与えることが想定されます。
先行する新規失業保険申請件数は安定推移を続けていることから大崩れは想定しにくいと考えられます。直前に発表されるADP雇用統計やISMの雇用指数も直前のリアル市場予想形成に大きく影響するため、しっかりと結果、その後の値動きを確認したいところです。良好な結果が続き、ドル買いが強まっているようであれば、市場はよほど強い内容でなければ納得できず、発表後に伸び悩む動きとなるというシナリオも有り得ます。

その他、ISM景況指数も製造業が50台を維持できるかどうかに注目です。好不況の分かれ目となる同水準を割り込むと、ショックはそれなりに大きいと考えられます。非製造業は引き続き好調をキープできるかどうかを確認したいところです。

豪RBA政策金利、豪GDP、中国PMI

今週は豪ドルにとっても忙しい週となりそうです。上記米欧のイベントに加え、RBAの政策金利、豪GDP、小売売上、さらに中国のPMIの発表が予定されています。
RBAの政策金利は据え置きが予想されており、声明文の内容に注目が集まります。直近のスティーブンス総裁のコメントでは豪経済に対して前向きなコメントが増えてきていることや、追加利下げの効果を疑問視するような内容もあることから、タカ派的にとられる内容となる可能性が挙げられます。
GDPは先日の冴えない設備投資の結果を踏まえるとあまり期待は低めと考えられます。

また、中国のPMIは中国製造業の持ち直しの兆しが見られるかどうかに注目が集まり、強い結果となると豪ドルのみならず、市場のリスク地合いを改善させる一つの材料となりそうです。

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト