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ECB理事会に注目

【著者】

昨日からの流れ

昨日は欧州時間まではリスク回避型の動きで円買いが進む展開となりましたが、その後はECB理事会を控えた調整によるユーロの上下動により、各通貨が揺さぶられる展開となりました。

ユーロは欧州時間序盤から売られた後、NY時間に入ると反発を強めユーロドルは1.1台を回復、ユーロ円も125円台手前まで戻す動きとなっています。円は対ユーロで売りが強まったことでドル円、クロス円は上昇する動きとなりました。NY時間の原油価格の上昇がユーロ圏の物価の下支え材料となるとの思惑が神経質になったユーロの買いのきっかけになったのかもしれません。また、資源価格の上昇により、カナダドルや豪ドルも底堅い動きとなっています。
早朝にはRBNZの政策金利の発表が行われ、25bpの利下げが行われ、また、追加緩和の可能性も示されたことでNZドルが大きく下落する動きとなっています。

主要通貨ペアの推移(2016/3/10)

USDJPY

ドル円は欧州時間までは上値の重い推移となり、前日からのサポートとなっていた112.40付近を割り込み、112.20付近まで下落する動きとなりましたが、NY時間には反発に転じ前日のNY時間のレジスタンスとなった112.75付近を突破し、113円台を回復する動きとなりました。

日足チャートを見ると111.00-115.00のレンジ内の動きが続き、完全に方向感の読みにくい動きとなっており、本日も方向感を欠く動きとなる可能性が挙げられます。

ドル円

EURUSD

ユーロドルは欧州時間までは下値を探る動きとなりましたが、NY時間に入ると大きく上昇し1.1台を回復する動きとなっています。ECB理事会前ということで原油価格の上昇に過敏に反応する神経質な動きとなっています。日足チャートを見ると上値が詰まっているものの、底も硬い状態となっており、方向感は薄く、少し様子を見たい状態となっています。

本日は欧州時間にECBの政策金利、ドラギ総裁の記者会見が予定されており、短時間で大きく上下に振れる可能性があるため、注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円は欧州時間までは下値を探る動きが続きましたが、123.00に迫るところで下げ止まり、NY時間には大きく反発する動きとなり、125円に迫るところまで上昇する動きとなりました。3月2日にも同水準でサポートされていることを考えると今後、今水準が重要なサポートとして意識され、その下にストップ売りが溜まりやすく、割り込んだ際は下落が勢い付くことが想定されます。レジスタンスの候補は2月中旬にサポートとなり、その後、レジスタンスとなっている125.70付近でこの水準を上抜けると上昇が勢い付く可能性が挙げられます。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは上値は重いものの、底も硬く方向感を欠く動きとなりました。日足チャートでは大きな下降トレンドの中の短期的な上昇トレンドに一服感が出てきている状態となっており、再度下値を探る可能性がある反面で、下げ渋っているため、上昇に転じ下降トレンドラインを上抜ける可能性も残っており、どちらに動き出すかを観察したいところです。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルはアジア時間までは利食い売りに押される動きとなっていましたが、その後は底堅い動きに転じ、節目の0.75を突破する動きとなりましたが、早朝のRBNZの利下げによるNZドルの下落に併せて失速する動きとなっています。昨日は昨年4月にサポートとして活躍した0.753付近で跳ね返される動きとなっており、この水準を突破できるかどうかが今後の豪ドルの方向感を左右するかもしれません。しっかりと上抜ける動きとなると上値余地は0.8付近まで広がると考えられます。

豪ドル

本日の注目材料

本日は欧州時間のECB理事会、ドラギ総裁の記者会見に注目が集まります。前回の会合後に追加緩和が示唆されたことに加え、消費者物価指数が伸び悩む推移となっているため、追加緩和が行われる可能性が高く、市場の注目は緩和の規模に集まっています。マイナス金利幅の拡大、月間の資産購入額の増額、資産買入期間の延長、購入対象資産の拡大などが想定されていますが、現状では期待感からのユーロ売りは限定的なものとなっており、むしろ失望期待の買いの方が優勢な状態となっています。

発表される緩和の内容にもよりますが、期待感からのユーロ売りが限定的ということは発表後の失望もそれほど大きくない可能性も挙げられますが、発表後の動揺で思わぬ方向へ動くことも想定されるため、発表前後、ドラギ総裁の会見中は細心の注意が必要です。

本日の予定

08:10 ウィーラーRBNZ総裁議会証言
08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
09:01 英2月RICS住宅価格 
10:30 中国2月消費者物価指数・生産者物価指数
12:45 日5年国債入札(2兆5000億円)
21:45 欧州中央銀行(ECB)理事会政策金利発表 
22:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁記者会見
22:30 米新規失業保険申請件数 
22:30 加1月新築住宅価格指数 
翌3:00 米30年債入札(120億ドル)
翌4:00 米2月財政収支 
翌6:15 ポロズBOC総裁コメント機会
翌6:30 NZ2月企業景況感

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト