【今週の見どころ】イエレン議長の講演等

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先週からの流れ

先週はFOMC議事録でデータ次第としながらも6月の利上げの可能性が示されたことや、FOMCメンバーが67月の利上げに前向きなコメントが出たこと、米国消費者物価指数が市場予想を上回ったことなどから、67月の利上げ期待が高まり、ドルが底堅い動きとなりました。
一方で株式市場は利上げやドル高が懸念材料となり、上値の重い推移となったため、円やユーロなどがリスク回避で買われるような動きとなる場面も見られました。

また、英国の6月23日に予定されている国民投票に関しては、世論調査などで残留支持が強まったことを受けてポンドの買い戻される動きとなり、ポンドの強さが目立つ週となりました。

豪ドルは序盤にRBA議事録にて前回の利下げを決定する際に、据え置きに関しても検討されたことが材料視され、市場の想定していたよりもRBAはハト派ではないとの見方が広がり、上昇する動きとなりましたが、その後に発表された13月期の賃金コスト指数が市場予想を下回る結果となったことや米国の利上げ観測に押されるような動きとなり、上昇分を全て吐き出すような動きとなっています。

通貨別強弱

イエレン議長の講演

5月27日と6月6日にイエレン議長の講演が予定されています。6月6日の講演は5月の雇用統計の発表後、6月14日からのFOMCのブラックアウト期間直前ということもあり、何らかのメッセージが出るのではとの期待が高まっています。その前哨戦となりうる5月27日(金)の講演にも注目が集まることが予想されます。6月利上げに関しての手がかりが出てくるようであれば、ドルを中心に大きく動く可能性があるため注意が必要です。

米国経済指標

米国の67月の利上げがへの意識が高まっていますが、今後のデータ次第というのが利上げの条件になっているため、今後の米国経済指標の結果に対しての反応が強くなることが予想されます。来週も米国のGDP改定値をはじめとして、耐久財受注や新築住宅販売件数などの発表が予定されています。

13月期のGDP改定値が速報値から大きく下方修正されるような結果となってしまうと、昨今強まっている利上げ観測が大きく傷つけられる可能性があるため、発表前後は注意が必要です。耐久財受注や新築住宅販売件数は市場予想とのブレが出やすい経済指標であるため、相場への影響は一喜一憂となる可能性が高いと考えられますが、市場予想との乖離が大きいと反応もそれなりに大きくなる可能性もあるため、注意したいところです。また、来月初めの雇用統計の注目度も上がっていることが想定されるため、先行指標の一つである週間の新規失業保険申請件数も市場予想との乖離があると、普段よりも大きな反応となる可能性があるため、注意が必要です。

G7首脳会議

週末にかけてはG7首脳会議の開催が予定されています。ざっくりとした議論が多く、為替相場へ直接影響するような材料は出てこない可能性が高いと考えられますが、要人のコメント機会が複数予定されているため、相場がコメントに対して過敏に反応する可能性も考えられるため、注意が必要です。

先週の注目通貨ペアのその後

先週の注目通貨ペアの挙げた新興国通貨/円の通貨ペアは序盤に上値の重い推移となったものの、週末にかけては持ち直す動きとなりました。持ち直したとはいえ、戻りは限定的となっており、それぞれサポートラインとなっていた水準を突破できていないため、第2波が来る可能性も考えられ、引き続き、下方リスクは残っていると考えられます。南アフリカランド円に関しては6.8付近が年初からのサポートとして踏ん張っているため、この水準を割り込む動きとなるとストップ売りを絡めた下落となる可能性もまだ十分に考えられると思います。

南アフリカランド円

トリコ円も下げ渋る動きが続いていますが、37.20に迫るところでは上値が詰まる推移が続いており、サポートとなっていた37.60を回復できない状態となっています。直滑降で落ちる動きとなっていただけに、調整もそれなりに時間がかかることも想定され、反発の可能性もありますが、再下落リスクは依然として残っていると考えられます。

トルコリラ円

今週の注目通貨ペア

今週の注目通貨ペアはポンド円です。

昨年から上値の重い推移が続いていたポンド円にも巻き戻しの兆しが出始めています。

下の日足チャートを見ると安値を切り下げる動きが続きましたが、安値更新が止まり、逆ヘッドアンドショルダーの完成が近づいています。しっかりと163円台くらいまで上昇する動きとなると、ネックライン突破となり上昇基調がさらに強まりそうな気配がしています。まずはしっかりとネックラインを突破する動きとなるかどうかに注目が集まります。

市場のポジションは依然としてポンド売りに傾いていることや米国の利上げ期待が高まり、ドル買いが強まる場面では、ドルを買う対価としてポンドよりも円やユーロの方が選択されやすく、ポンド円やユーロポンドではポンド優勢になりやすいことや英国のEU離脱懸念が和らぐ場面が増えてきていることを考えると、もう一段の上昇余地はありそうです。

ポンドドル

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト