2016年の相場を動かしそうな要因

【著者】

米国の利上げサイクル

昨年末のFOMCにて米国はとうとう利上げ開始となりました。同時に発表されたメンバーの金利見通し(ドットチャート)における予想の中心値が2016年中に1%の利上げとなっており、この利上げペースを維持できるかどうかで相場が一喜一憂することが予想されます。米国雇用統計FOMCが注目されることはもちろん、米国経済が利上げに耐えうるかどうかを判断する上ではその他の米国経済指標や新興国経済の状況、原油価格の動向などにも注目が集まります。

原油市場の動向と新興国情勢

中国をはじめとする新興国経済の減速やシェールオイルの台頭、さらにはイランの制裁解除などによる供給過多の状態が続き、原油価格は上値の重い推移が続いています。このまま原油価格の下落が続くようであれば、シェール関連産業がさらに追い込まれ、為替相場でも資源国通貨売りや、リスク回避色が強まる場面が見られることが想定されるほか、主要国の物価の下押し材料となり、米国の追加利上げ観測の後退、また、日銀などの追加緩和の可能性が意識されるかもしれません。

逆に、中東の地政学リスクが高まるリスクや米国のシェール関連企業の撤退などがあると原油価格が急反発というシナリオも考えられます。急騰となると、それはそれで市場のリスク回避色が強まると考えられ、為替相場にも影響が大きく出ることが想定されます。

新興国では中国経済の減速はもちろんのこと、その他新興国でも原油価格の下落や米国の利上げによるドル高の影響により厳しい状態が続いています。現状では昨年、ブラジル国債が格下げられたことなどもあり、新興国からの資金流出が続いています。このような状況が続き、新興国経済が先進国経済を圧迫するような状況となると米国の利上げペース鈍化が意識されたり、日銀やECBにおける追加緩和観測へと派生する可能性も考えられます。

英国のEU離脱

今年は英国でEU離脱を問う国民投票の実施が予定されています。現在EUでは英国の離脱を阻止するため、改革案の協議などを行っているところです。経済的な面を見ると離脱するメリットは少ないと考えられますが、昨今の移民、難民問題への関心がさらに高まっており、離脱となる可能性も十分に考えられ、ポンド、ユーロなどを中心に為替相場に影響が出てくる可能性が挙げられます。

地政学リスク

昨年に続き、イスラム国によるテロなどの脅威により北アフリカから多くの人々が難民として流れ込むことが想定されます。中東の情勢悪化による地政学リスクはもちろんのこと、欧州の移民問題から派生する政治リスクにも注目が集まる可能性が挙げられます。テロの脅威や治安悪化、財政圧迫など様々な問題が意識され、英国のEU離脱の国民投票と併せ排外主義などが台頭してくることが想定され、市場のリスク回避色を強める要因となる可能性が挙げられます。

日銀の追加緩和

米国の利上げ、中国の景気減速などの影響から、新興国経済の減速が加速するようであれば日本経済にも下押し圧力が強まることが想定されます。また、原油価格の低迷が続くことで物価が伸び悩む状況が続くようであれば日銀も物価見通しを引き下げざるをえず、日銀が追加緩和に動くというシナリオが考えられます。

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト