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2016年はドル安の年になる」というガンドラック氏の言葉が現実となる3月?

【著者】

現在の米国が抱える“闇”を映し出す米大統領選

上海で行われたG20は可もなく不可もない共同声明を採択した後閉幕し、再び市場の注目は次週以降に開催される日米欧中央銀行会合内容に集まる流れに。
現在における市場のメインテーマが米利上げ回数およびペースとなっており、今月15-16日に開催される米FOMC会合時の利上げはほぼないだろうとのコンセンサスが整う中、年内(6月・9月・12月)利上げができるような環境なのかどうかの判断材料として今後の米経済指標の良し悪しが相場を左右しそう。

そんな中、1日に発表された2月ISM製造業景気指数が、景気良し悪しの判断基準である50を下回った(前回値:48.2、事前予想:48.5、結果:49.5)ものの、同指数が2ヵ月連続で上昇していることで、「好景気を示唆するものではないものの、リセッション(=景気後退)に再度陥るような悲観的なものでもない」結果となったこともあり、一部には9月利上げ予想が「五分五分」との見方も台頭。
かつて同指数が50を下回っている状況で利上げをしたことがないという経験則がある中、昨年12月に9年半ぶりに利上げを実施したFRBですが、懸念される原油価格も徐々に落ち着きを取り戻しつつあり、また雇用環境が堅調になっていることがかえって政策判断の重石ないしは手枷足枷となり得そう。

その米国の経済状態の“裏側”(=本質)を垣間見ることのできる材料の一つが・・・米大統領選
誰しもが泡沫候補と見ていた共和党・トランプ氏が今週のスーパーチューズデーでも勝利し、同じく民主党で勝利したヒラリー・クリントン前国務長官とよもやの一騎討ちとなる可能性が高まっていることは、現在の米国が抱える病理がそこに存在していると言っていいのかも知れません。
その米大統領選で同じく注目されている民主党・サンダース氏の躍進も米国の病理を表しており、国内における貧富の格差拡大が国民の大いなるフラストレーションとなっていることが窺えます。

かつて黒人初の大統領となったオバマ大統領が2008年の選挙戦時に掲げた『Change』『Yes, we can』といった明朗性を帯びたスローガンであったのに比べて、今回の選挙戦で目玉になっている共和党・トランプ氏が『Make America Great Again』(偉大なアメリカを取り戻そう)、民主党・サンダース氏が『Political Revolution』(政治革命)と、前者は誇大妄想的・先祖返り的な響きが、また後者はかつての米国では考えられなかった社会主義的な流れが見えるにつけ、米国で暮らす一般国民の“闇”の部分が露呈し、まさに彼らの躍進こそ米国経済が“(1929年の)大恐慌以来最悪の景気回復”である証左なのかも知れません。

米大統領選を通じて垣間見える米国経済(社会)の“闇”の部分とともに、“新債券王”ジェフリー・ガンドラック氏の言葉の通り、「2016年はドル安の年になる」という見通しをしっかりと見据えつつ、安易な値頃感を判断基準とするドル/円逆張り・買いエントリーは避けるべきと考えますが、いかがでしょうか。

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津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。