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今週の見どころ 日米英の中央銀行イベント等

【著者】

先週からの流れ

先週はECB理事会、ドラギ総裁の記者会見でユーロが大暴れとなりました。ECB理事会終了後の発表で主要政策金利の3つが全て引き下げられ、月間の資産購入額は200億ユーロ増額、TLTRO再稼動など市場予想を上回る規模の緩和となったため、ユーロ売りが強まったものの、その後のドラギ総裁の会見では追加利下げに否定的なコメントが出たことにより、ユーロは急反発する動きとなりました。

ドラギ総裁のコメントでECBが発表した緩和の規模は大きかったものの、市場では当面、追加緩和は行われないだろうとの思惑が強まり、短期的に貯まったユーロ売りのポジションが一気に巻き戻されるような状態となりました。

また、前週に引き続き、原油価格が底堅い推移となり、資源価格全般が底堅い動きとなっています。そのため、豪ドルやカナダドルといった資源国通貨、資源輸出に依存する傾向のある新興国通貨などは底堅い推移となっています。

通貨別強弱

日米英の中央銀行イベント

今週は日銀金融政策決定会合、米国ではFOMC、英国でBOEの金融政策委員会MPCの発表が予定されています。

日銀は来月の会合での展望レポートと併せて追加緩和とのシナリオが考えられますが、ECBが規模の大きい追加緩和に踏み切ったこと、3月末のGPIFの決算をサポートする必要性などから今回の会合でも追加緩和の可能性が囁かれています。
ただし、マイナス金利導入から月日が経っておらず、効果測定が不十分であると考えられる点、ここにきて原油価格が底堅さを見せはじめている点や、株式市場も若干ですが、下げ止まり感が出てきたこと、発表後、材料出尽くし、失望などで効果が得られない可能性などを考えると、カード温存の可能性の方がやや優勢かもしれません。

FOMCに関しては、昨今の米国経済指標からは追加利上げをサポートする材料には乏しく、今回の会合ではイエレン議長の記者会見も予定されていないこともあり、追加利上げは見送られる可能性が高いと考えられます。
そのため、市場の注目は声明文に集まり、追加利上げに慎重と読み取れる文言があるとドル売りの材料となり、逆に市場の想定よりも強気であれば昨今のドル売りを巻き戻すきっかけとなる可能性もあると考えられます。

英国のMPCでは前回の会合では政策金利据え置きを全会一致で決定しており、今回の会合での金融政策は据え置きの可能性が高そうです。
市場の注目は議事録での利上げ支持票の数に集まり、1票でも入っていればポンド買いの材料となりそうです。その他、英国経済、世界経済、インフレ、賃金などへの評価で一喜一憂となることが想定されます。

資源価格の好調続くか

このところ底堅い推移となっている原油を始めとする資源価格が今週も底堅い動きを見せるかどうかに注目が集まります。増産凍結への期待感や貯まった売りポジションの調整など様々な要因が考えられますが、依然として供給過多の状況は続くことが想定されるため、下値を探り出すような動きとなった場合には少し注意が必要です。

資源価格の底堅い推移に併せ、豪ドルやカナダドルなどの資源国通貨、資源輸出依存度の高めな新興国などは底堅い推移となっていますが、原油が再び下値を探るような展開になってしまうと勢いを失う可能性が挙げられます。

米国経済指標

最近の為替相場を見ると米ドルが弱い状態が続いています。製造業の弱いデータに続き、ISMやマークイットの景況指数で非製造業の数値までも悪化し始めるなど、米国経済に追加利上げ観測を押し上げるだけの材料に乏しい状態が続いており、これまで貯まったドル買いに調整が入っていることや、ECBや日銀の金融緩和に限界が近づいているとの思惑などが挙げられます。

そのため、今後も米国の経済指標への注目度はそれなりにあると考えられます。
今週は2月の小売売上に加え、住宅着工件数などの住宅関連、鉱工業生産などの製造業関連の経済指標の発表が予定されており、結果に一喜一憂となることが想定されます。

先週の注目通貨ペアのその後

先週の注目通貨に挙げさせていただいた豪ドルは0.75台に乗せるところでは上値の重さが残り、調整が入る動きが続きましたが、週末にかけてしっかりと0.75を超える動きとなり、0.76に迫るところまで上昇する動きとなっています。

豪ドル4時間

週足チャートでは昨年4月のサポートとなった0.752付近をしっかりと上抜ける動きとなっており、次の心理的節目となる0.8付近を視野に入れた上昇基調が強まりそうな形となっています。

ただし、短期的には頑張りすぎている感も否めないため、伸びきったところでの利食い売りにも注意が必要です。

豪ドル1週間

今週の注目通貨ペア

今週の注目通貨ペアはドル円です。年初から下落が続き、その後、方向感の薄い推移が続いており、111.00-115.00付近でのレンジ推移が続いています。直近ではサポートが112.00付近まで切り上げるような動きとなっており、レンジ幅が収縮し、力を貯めているようにも感じられます。

今週は日米の金融政策の発表や米国の経済指標の発表などのイベントが続くため、結果次第ではドル円も動き出し、均衡を破る可能性も十分に考えられます。

現時点ではどちらに抜け出すかの予想は難しいですが、均衡が崩れ、抜け出した方に大きく動く可能性があるため、レンジの上限、下限に接近した際には注意が必要です。

ドル円1日

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト