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【今週の見どころ】ECB理事会、原油価格の動向

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先週からの流れ

先週は円の強さが目立つ週となりました。小売売上や消費者物価指数、鉱工業生産などの米国経済指標が冴えない結果となったことや、IMFの世界経済成長見通しが引き下げられたこと、熊本で発生した地震などが円買いの材料となったほか、G20後に米ルー財務長官による「円高となっているが無秩序ではない」とのコメントが本邦の介入を牽制していると受け止められたことや、週末に行われた原油増産凍結へ向けた会合でイランの不参加などを理由に交渉が決裂したことで週明けから原油価格が下落、リスク回避の円買いが進む状態となっています。

通貨別強弱

ECB理事会

今週は木曜日にECB理事会が予定されています。大規模追加緩和の発表して間もないため、金融政策は据え置き予想が中心となりそうですが、多少の調整が入る可能性も考えられるため、発表前後の動きには注意したいところです。

また、ドラギ総裁の記者会見にも注目が集まり、追加緩和を示唆するような結果となるとユーロの上値を圧迫する材料となりそうです。ただし、直前までに期待感からユーロ売りが進むような展開となっていた際には、追加緩和を示唆したとしても、相場への影響は限定的となり、発表後に反発という可能性も十分に考えられるため、会見中は警戒が必要です。

原油価格の動向

週末の原油の増産凍結に向けた会議にて合意に至ることができなかったことを受けて週明けから原油が下落するなど、神経質な動きとなっています。
次回の会合が6月ということで、6月が近づくにつれ、再び期待感が高まるということは想定されますが、短期的には下押し圧力が続きそうな気配がしています。

原油価格が下落となることで、資源価格全般が軟調な推移となり、資源国通貨が軟調な推移となることに加え、市場全体のリスク回避色が強まる動きとなると、ドル円の上値を圧迫することが想定されます。

先週の注目通貨ペアのその後

先週は新興国通貨VS円の下落リスクに注目していましたが、結局未遂に終わってしまいました。

ただし、先週終盤から今週序盤にかけて値を崩し始めており、今週から来週にかけて、サポートラインを再度試しそうな動きとなっています。

トルコリラ円はサポートとなっていた37.60付近が近づいてきており、年初から4回目のトライとなり、割り込む確率が高まってきています。

トルコリラ円

南アフリカランド円は非常に緩やかな上昇トレンドを続けていましたが、直近の高値となる7.70を突破できずに失速となっており、トレンドが崩れる可能性が少し出てきました。安値を結んだトレンドライン、または心理的節目となる7.00を割り込むような動きとなった際には注意したいところです。

南アフリカランド円

ユーロ円に暴落注意報発令中

今週の注目通貨ペアはユーロ円(EUR/JPY)です。円高基調が強まっており、クロス円全般の上値の重い状態が続いています。ユーロ円は昨年から、緩やかな下降トレンドが続いていますが、徐々に安値を切り下げる動きが続いており、今週序盤には2月末から3月序盤にかけてサポートとなっていた122円台前半を割り込み、下落基調が強まりそうな動きとなっています。週足チャートで見ると次の安値のターゲットは119円台中盤となり、その水準を割り込む動きとなってしまうと、サポート候補が少なく、2011年終盤から、2012年にかけてレジスタンスとなった111円台中盤や心理的節目となる110円付近までも視野に入れた下落圧力が強まる可能性が浮上します。

現在、ドル円(USD/JPY)の上値の重い状況が続き、ユーロドル(EUR/USD)も1.15手前で上値が詰まり、伸び悩む状況となっている状態で、ECB理事会、ドラギ総裁の会見を迎え、結果次第では大きな下落につながる可能性は十分にあると考えられます。

ユーロ円

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト