9月21日、日銀金融政策の想定メニュー

黒田総裁01

9月20日に日銀金融政策決定会合が発表されます。

この日は、昼間に日銀の発表があり、翌日深夜3時に米国でFOMC発表もされる日米金融政策発表日となっています。

日銀は『包括的検証』に、FOMCは確率は20%と低下したものの、バークレイズとBNPバリパは利上げを予想しているようで非常に注目が集まります。

日銀がどのようなことを発表するのか分かりませんが、事前に漏れ伝わっている内容では、実に多くの選択肢がありそうです。

そこで、金融政策の想定メニューをピックアップしましたので、ご確認下さい。

想定される発表内容

考えられる内容は、以下の8つ。

1.包括的な検証の発表のみ。。(現状維持)
2.国債買い入れ枠の柔軟化
3.マイナス金利の深堀り
4.ツイスト・オペの実施(長期売り短期買い)
5.外債の購入
6.年間ETFの買い入れ枠の弾力化(6兆円 ⇒ 4~6兆円)
7.インフレ率2%の達成時期を短期から長期的に
8.40年債の購入

1.現状維持

総括的な検証に関しては、すでにきさらぎ会での講演で黒田総裁の見解が出てきています。

参考:黒田総裁の金融緩和政策の「総括的な検証」

ただし、マイナス金利の是非に関しては日銀内でかなり揉めているらしく、着地点がどうなるのか注目。

日経新聞によると、『緩和拡大はマイナス金利軸に総括検証』となっていることから、マイナス金利は弊害もあったがトータルでは正しかったという着地となるのでしょうか。

2.国債買い入れ枠の柔軟化

現状、年間購入枠が80兆円のところを70~90兆円と柔軟にし、将来の増額も匂わす。
なおかつ、市場に「テーパリングもあり得る」とのメッセージを与えるという玉虫色の表現を使う可能性です。
参考:次週に迫るビッグイベント!日銀による「総括的検証」の中身とは?

テーパリングの示唆は金融引き締めですが、国債利回りが急上昇することにより、銀行・証券株が上昇し日経平均の上昇に繋がるかもしれません。

3.マイナス金利の深堀り

黒田総裁の発言では、可能性がそこそこありそうな選択肢です。

引き下げるとなると、現在-0.1%のところを-0.2%~-0.3%とすることが考えられます。

4.ツイスト・オペの実施(長期売り短期買い)

マイナス金利によって銀行などの金融機関の収益を圧迫しているというのは、当然日銀内でも認識しています。

そこで、長期と短期金利差を調節するという意味で、そこでオペレーション・ツイスト(ツイスト・オペ)という手法があります。

これは長期国債の売買と短期国債の売買を同時に行うことで、資金供給量を変えることなしに、長・短金利を逆方向に導く市場操作のことをいいます。

そうすることで、マイナス金利の導入以降、国債利回りが短期から長期にかけてもフラットだったものを右肩上がりになる様にしようということです。

モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一債券ストラテジスト は、「マイナス金利深掘りとツイストオペをやってくる形で市場コンセンサスができつつある」と指摘しています。

参考:債券上昇、マイナス金利強化観測で買い-ツイストスティープ化は一服

金融庁の試算では、マイナス金利により大手銀行の減収総額が3000億円ということですから、銀行の収益確保へと動く可能性はありそうです。

5.外債の購入

日銀の元審議委員である中原伸之氏は、WSJのインタビューで『外債の購入を通して目標額を100兆円に拡大するのが望ましい』と述べました。

内容は年間10兆円をドル建てとユーロ建てを半分ずつとするのが望ましいとのことですが、こうなったら円売り・米ドル買い・ユーロ買いとなりますから、ユーロ円は10円くらい簡単に吹き飛んでしまうのではないでしょうか。

(参考:日銀、外債購入で資産買い入れ100兆円に拡大を=中原氏

なかなかトリッキーな記事ですので、興味がある方は読んでみるとおもしろいかも。

ただ、外債の購入は介入になるのではという意見も多いようで、今回の実現の可能性は相当低そうです。

6.年間ETFの買い入れ枠の柔軟化(6兆円 ⇒ 4~6兆円)

これは個人的な意見ですが、日銀は年間ETF買い入れ枠を6兆円と拡大したものの、その実現性と効果は疑問が残るばかり。

それどころか、2017年末には相当数の上場企業の大株主となってしまいます。

この問題を解決するために何らかの示唆があるのではと考えるのは、私だけでしょうか。

7.物価目標の達成時期の変更

原油価格の下落の影響で、当初2016年には物価上昇率2%を達成していたはずが、どんどん後ずれすることに。

2016年は円高の影響もあり、より達成は困難となりそうです。

この物価達成目標はそもそも日銀の命題ですので、ハッキリさせないといけないところですが、長期で達成となると記者陣からの集中砲火は免れないでしょう。
今までの自信満々の黒田総裁はどこかにいってしまいそうですね。

8.40年債の購入

先日、日経が『財務省、40年債の増発を正式決定』と報じました。

可能性はほぼ皆無化と思われますが、4000億円増加した国債の一部買い取りや地方債や社債の買い入れを増やすという選択です。

今のところありそうなのは『1:現状維持』か『4.ツイスト・オペの実施』、『7.インフレ率2%の達成時期の変更』でしょうか。

個人的にマイナス金利幅の拡大は、銀行から相当な非難があったことから考えづらいところ。

なお、事前調査によるとエコノミスト40名中、14名がマイナス金利の拡大を予想。12名がマネタリーベース拡大ペースの増加を予想しているそうです。

明日の日銀金融政策発表は、今年一番の注目といわれた7月と同じくらい注目が集まりそうですね!

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児山将|みんなの外為スタッフ

児山将

みんなの外為で記事を書いています。 大学生の時からFXを初めて6年以上。FXの楽しさを伝える為に、みんなの外為を盛り上げていきます。初心者の方でも分かり易く学べるように、難しい専門用語やマーケットの説明、FX業界について記事にしていきます。 みんためのTwitterでもつぶやき中!