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BNPパリバに罰金89億ドル、ドル決済も1年禁止処分へ

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FXコラム|2014/07/02

米司法省は6月30日、仏銀最大手のBNPパリバに総額89億ドルの罰金を科すと発表した。ニューヨーク拠点などにおけるドル決済業務の一部停止処分は来年1月から1年間とされた。パリバは米国が金融制裁の対象としたスーダンやイランとの間でドル送金などの金融取引を続け、その事実を隠していたことが米国法に違反すると認定された。外国の金融機関への罰金としては過去最大。

7月1日のBNPパリバの株は反騰したが、パリバは今回の措置を受け、2014年通期で最終赤字に転落する可能性がでてきた。ドクルセル最高執行責任者(COO)が引責辞任する模様。パリバへの処分を巡っては、オランド仏大統領が「制裁は過剰で不公正」とし、オバマ米大統領に再三抗議するなど、米仏間の政治問題になりつつあった。

私は以前、日本株ロング・ショートのヘッジファンド運用を行っていた。資金はプライム・ブローカーと呼ばれる証券会社に預け、取引を執行すれば、プライム・ブローカーが株式と残りの資金を保管する。

ロングは資金を引き出して株式を購入するが、ショートはどこからか銘柄を借入れてきて、それを売ることになる。信用取引の空売りと同様のシステムだが、ヘッジファンドの場合は、証券会社に品貸し銘柄のレートをチェックして、個別に借入れて売る。

証券会社は生保やファンドなどの機関投資家から保有株式の貸出リストを手に入れ、それをヘッジファンドに提示する。流動性がない銘柄や、空売り人気によっては品借り料がかさむことにもなる。力のある証券会社の方が、多くの銘柄を大量に借入れることができるが、握っている機関投資家が違うので、借入可能な銘柄も、品借り料も証券会社によって様々に違う。

当時は、日本株品貸しシェアは、ゴールドマン、パリバの順だった。プライム・ブローカーとしても、その順だった。今年に入って、年初などに日本株を押し下げるほど大量に売ったのがフランス系だとされているので、おそらくパリバかと思う。その後ろにはヘッジファンドが控えている可能性が高い。

プライム・ブローカーは、ヘッジファンドの決済を請け負っている。ドル決済禁止は、その意味では大打撃となる。このままではパリバは貿易関係だけでなく、ヘッジファンドのビジネスも失ってしまう。米国は司法取引の国だ。「ドル決済業務の一部停止は来年1月から1年間」とあるので、それまでに何らかの妥協、調整があるかと思う。

みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
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http:/money.minkabu.jp/45617

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。