電子通貨の利用が広がるアフリカ。貿易では中国元が増加

為替マーケット情報|記載日:2014/01/24

ジンバブエの経済は現在、ほぼ完全に米ドルに頼っているが、こうした経済の「米ドル化」はいくつかの問題を引き起こしている。米の金融政策の影響を受けるだけでなく、流通しているドル紙幣の量が限られているため古びてボロボロになり、またコイン不足で、商店では小銭の代わりにチューインガムや、タバコなどをおつりとして渡しているのだ。そこで、急速に存在感を高めているのが電子通貨で、ジンバブエが世界最初の流通通貨のない国になるとの観測もでてきている。

アフリカ諸国は南アフリカなど一部を除き、ジンバブエに限らず、通貨市場が未整備、あるいは流動性が低い。また、銀行の店舗数が少ない上に、通信網も未整備なため、モバイルバンキングが発達している。そこでも電子通貨の利用が取り沙汰されている。

貿易にどの通貨を用いるのかを決めるのは原則的に個々の企業だ。通常は輸出入から為替リスクを切り離したいので、自国通貨建てを望む。従って、貿易通貨は企業の力、あるいは背景となっている国の力を反映する。

中国政府は元の国際化を狙っている。とはいえ、真の国際化をすると、元は国の管理を離れてしまう。米ドルが米国の通貨でありながら、もはや誰も管理できないのと同様だ。中国は未だに管理為替制度だ。当局による為替レートの管理を放棄するだけの覚悟はないので、国際化はなかなか進展しない。そこで、ビットコインによる決済を狙っているとの噂が流れたが、中国政府は自国の銀行に取り扱いを禁じたので、単なる噂かと思う。

中国元は2013年末の時点で、世界の決済通貨の1.1%を占め、そのほぼすべてを香港、シンガポール、台湾で行っている。一方で貿易通貨としては、世界貿易の8.66%が元建てでなされているとの調査結果がでた。それは、相手国企業が中国元の変動リスクを取ることを意味している。ここにも、中国企業の「力」が現れている。

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。