Q&A:AIにトレーディングはできる?

:数年前に、コンピュータが人間のクイズ王に勝利したこと、また、最近では将棋や囲碁のゲームでトッププロがコンピュータに勝てなくなってきています。ディープラーニングという高速の自己学習で、コンピュータは飛躍的に進歩したようです。

漠然とした質問ですが、AIとトレーディングの関係はどのようにお考えですか。トレーディングでも人間は勝てなくなるのでしょうか。当局の規制がかかることも予想されます。


単純な移動平均線の、5本と13本の組み合わせでも、システム的な売買はそれなりに機能します。機械に任せるのは恐いと言っても、移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスとは必ず交互に出るので、大きな動きの時には収益となります。

また、私が出来高に注目し考案した「エスチャート」を利用した「売買システム」でも、それなりのパフォーマンスを上げることができています。
参照:http://s-dealing.com/next_s-chart.htm

AIと囲碁で対戦し、1勝4敗となった韓国チャンピオンは、AIは人間とは全く違う発想をすると述べました。ディープラーニングの開発者の言葉によれば、AIは「画像認識」の能力に長けていると言います。囲碁ならば、盤上の画像を数多く覚えて、次の展開の画像の記憶から、次の手を考えるのでしょう。我々が「素のチャート」を見るのと、似ていませんか?

移動平均線のシステム売買も、エスチャートのシステム売買も、所詮は、単純な数値の組み合わせです。数値を複雑にしても、むしろ本質から遠ざかるだけで、ロジックはロジックでしかないのです。

私は、いずれAIが資金運用でもチャンピオンになる可能性が高いと見ています。AIを参考に、人間が売買するのなら、規制も無力でしょう。もしかすると、すでに誰かが運用しているかも知れません。

もっとも、資金運用はチャンピオンを決めるようなゲームではありません。自分は自分のやり方で、収益をプラスにできれば良いのです。仮にAIがチャンピオンになって、そのおおまかなやり方でも公開されたなら、自分の運用に大いに参考にしたいところです。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。