ギリシャのユーロ圏離脱観測が強まっているが?_7/6

IMFが鍵を握る

日曜日に行われたギリシャの国民投票で、市場参加者の見方に反して、ギリシャ国民はドイツをはじめとする支援国側の支援の条件である緊縮財政案の受け入れにNoという判断をしました。

直前の世論調査では先々週までのNoが過半数という結果から急激にYesが増え、ほぼ拮抗した結果が出ていましたので、その勢いを考えると僅差ではあってもYesが大勢を占めると考えられていました。

想定外の結果に今日早朝のオセアニア市場ではユーロ売りが強まるとともに、リスク回避の円買いも進みました。

今後の状況に関して、市場関係者の間でも大きく見方が割れていて、昨日の結果からメイン・シナリオはギリシャのユーロ圏離脱、とまで言っている大手金融機関が出てきました。私の見方はそれとは異なったもので、時間はかかるもののギリシャと支援国側の双方が程度の差こそあれ妥協点を見出して合意する、という見方です。

今日、これまでギリシャの代表として交渉にあたってきたバルファキス財務相が突然の辞任を発表しましたが、これもギリシャ側がこれまでの交渉でできたわだかまりを少しでも解消しようとする姿勢の表れではないでしょうか。

今後の交渉の鍵を握るのはIMFと考えています。IMFは先月発表した特別レポートで「ギリシャの政府債務は持続可能なものではないことから、持続可能な水準まで再編する必要がある」としています。これまでギリシャも債務再編の要請は行っていましたが、ユーロ圏側はこれに応じることはありませんでした。したがって今後もギリシャの要請では債務再編に応じることは難しいでしょう。一方IMFが双方に提案する形であれば、双方のメンツも立つことから合意の可能性があります。メルケル独首相とオランド仏大統領も「ギリシャ市民の投票結果を尊重する」としていますので、妥協点を探る準備はあるのだと考えられます。

ただ、交渉には時間がかかること、水面下での交渉が続く間は表面的には悲観的な報道が増えてもおかしくないことを考えると、ユーロドルは上値の重い展開が続くのではないでしょうか。

<本記事ご協力>
チーフストラテジスト 高野やすのり様

高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト