注目の日銀会合! その3つのシナリオとは?

【著者】

アベノミクス相場のV字回復?or失望・狼狽売り?

いやが上にも注目が集まる明日の日銀金融政策決定会合
その決定とその後のマーケットの見通しについて、以下3つのシナリオをご確認ください。

シナリオ1.市場の期待に反して「現状維持」が決定されるケース

現状のマーケット環境は「ヘリマネ」「永久国債」等のワードが一人歩きし、いわば「根拠なき楽観」が支配しているような状況ともいえ、マーケット参加者は「日銀が追加緩和を行うか否か」ではなく、「日銀の追加緩和の“サプライズ度”はいか程か」といったような、まさに黒田マジックを期待しているかのような気もします。その黒田日銀総裁は、孫子の兵法でいうところの「兵は詭道なり」を地で行くような奇策やサプライズを好むと一部で言われていますが、裏を返せば市場との対話や意思疎通が疎かになって認識のズレや齟齬が生じやすいという欠点があることも否めません。

仮に7月29日の決定が先の4月28日時のような「ゼロ回答」となった場合は、大きな失望を伴う株安・円高フローは避けられそうにありません。その場合は「根拠なき楽観」や「ヘリコプター・バブル」は破裂・消滅し、ドル/円もある程度大きな下落を伴う結果となり得、再度100円台割れも想定に入れたほうがいいのかもしれません。

シナリオ2.限定的な追加緩和が決定されるケース

「限定的な」という定義は難しいものの、市場が事前に想定する範囲内の追加緩和規模であった場合は、「Sell the fact」(=事実売り)が主体となる相場展開となりそうです。日銀の追加緩和として、現状マーケットで想定されている「量・質・金利」は、[質]国債増額 80兆円→90~100兆円、[量]ETF増額 3.3兆円→6兆円、社債買い入れ年限延長、地方債・財投債の買い入れ、[金利]マイナス0.1%→マイナス0.2~0.3%、といったところ。

仮に、日銀の回答が上記シナリオの範疇であった場合は、当初の反応はドル買い・円売りフロー(107円台も?)となり得ますが、市場参加者が日銀に対し「小出し感」や「限界感」といったネガティブな解釈をした場合は、早晩ドル/円の下落フロー(100円台?)を想定した方がよさそうです。

シナリオ3.思い切った追加緩和が決定されるケース

このケースでは、マーケットは3つのシナリオの中で一番ポジティブに反応することが予想され、株買い・円売りフローの進展が見込めます。シナリオ2で記載した「日銀 追加緩和シナリオ」の数値を大幅に上回り、事実上のヘリコプター・マネーとなり得る永久国債が実施された場合は、市場に一定のサプライズと受け止められる可能性も。

また同時に、「金融政策」+「財政政策」+「構造改革」といったポリシー・ミックス(政策総動員)が打ち出され、政府・日銀の不退転の決意といった“気迫”がマーケットに行き届いた場合は、アベノミクス相場のV字回復となり得る可能性も否定できません。

ただし、その“気迫”がマーケットに伝わらない場合や、または財政ファイナンスやハイパーインフレといった出口戦略の議論に否定的な側面が顕在化した場合は、スパイクハイ(瞬間高値。111円台?)を示現した後、徐々に「夢が醒めたような」相場展開となるのかもしれません。

上記シナリオ1~3のいずれのケースを見ても、共通するのは、「ドル/円がどこまで一時的に上昇する(=戻る)のか」という点。
現状のドル/円チャートは、特に長期時間軸チャートにおいてテクニカルシグナルが下降トレンドを示唆しており、想定を大きく上回る程のファンダメンタルズ材料がない限り、短期間でのドル/円のV字回復は難しいかもしれません。シナリオ1、つまり「ゼロ回答」も十分考えられるため、十分な注意が必要と言えるでしょう。

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投資こそ、おもしろおかしくシンプルに 津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。