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日銀の金融緩和メニューを考える

【著者】

2014年のビックサプライズとなった10月30日の日銀金融政策決定会合。

ドル円

今年も時期が近づいてきました。

昨年とは違い、『日本のCPI(コア)がマイナスとなっている状態では金融緩和するしかないのでは?』というムードが漂っています。
そして、市場参加者の多くは緩和期待を持っており、事前にポジションを持っているようです。

もし日本銀行が金融緩和を行った場合に、どういったアクションを起こすことが想定できるのか?
その金融緩和のメニューを見ていきましょう。

日銀の金融緩和メニュー

現在考えられる日銀の追加緩和の手法としては、以下が考えられます。

1.マネタリーベースの拡大ペースを80兆から100兆円程度へ拡大
2.ETFやJ-REITの買入れ額の増額
(それぞれ3兆円から6兆円、900億円から2,000億円など)、
3.買入れ対象の国債の平均残存年数を7~10年から10~12年前後へ延長
4.超過準備金に対する付利金利を現在の0.1%から0.05%へ引下げ ◎
5.付利金利のマイナス化
6.突拍子もつかないトリッキーなこと

このうち、⓵は市場規模からいってほぼないと考えられます。

⓶は株価を上げるもっとも単純は手段として考えられますし、比較的可能性が高いと思われます。
日経平均は主要4銘柄の夏以降に上値余地が限定的に思われますが、主要銘柄を一気に押し上げる効果があるでしょう。

➂はこれまでの国債利回りから考えると、可能性は低いように思えます。
現に今年のGPIFの運用でも、国債での運用はマイナスとなっています。
参考:株下げ、円高でGPIFの買い余力拡大

⓸の超過準備金に対する付利金利の引き下げは最近話題になっておりますので、少し紐解いてみたいと思います。

ゆうちょ銀行の上場とも関係ある付利引き下げ

まず超過準備金とは、日銀の当座預金に最低限預けないといけない準備預金の預け入れる率を上回った金額のことをいいます。

ちなみに、この預金準備率は1991年10月以降変更されていませんが、中国ではしばしば引き下げられており、これにより市場に出回るお金の量が増え金融緩和の効果があるのです。

現在、この預けなくても良い超過準備金が増えに増えており、9月には209兆円と史上最高額を更新しました。特にゆうちょ銀行が44兆円もの額となっているのです。
この超過準備金の金利は僅か0.1%ですが、これを0.05%に引き下げると市場に出回る資金が増加するのではないかというのです。

ちなみに、日銀による年間1千数百億円の支払いがあるようですが、これをすることにより逆に2000億の収入増となるようです。

ここで注目したいのがゆうちょ銀行の動向でしょう。
同行は11月4日に新規上場します。詳細は割愛しますが、現在まで国債の運用しかできなかったものが、よりアクティブな投資運用を行うことができます。そうなると今までただただ積み上げられていた44兆円もの巨額マネーが市場へ出てくる可能性が一気に高まります。

これだけでも十分なバズーカ効果があるでしょう。
幸か不幸か上場より先に日銀があるのですが、不利の引き下げが行われた場合にはそういった巨額の資金移動が起きる可能性があるのです。

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、この不利金利の引き下げを行うと予想しているのは、今後2年でも35人中7人だけだそうです。つまりサプライズ効果は抜群ということです。

仮に日銀が現状維持で通過したとしても、ゆうちょ銀行の発表で思わぬバズーカ効果が得られるかもしれません。

時々話題になっている➄のマイナス金利は、日銀もECBが行ったの効果を精査しているようですが、現状導入する可能性は低そうです。

その他、我々では考え付かないようなことを過去にFRBECBは口先介入を含め行ってきました。

日銀がそういったことを先陣切って行うとは思いません。しかし、一瞬マーケットがどう反応すれば良いか分からないようなことが出てくるということも考えておきましょう。

基本的にそういったことが起きた場合は、ファーストアクションについていくとアルゴリズムや事前のポジションの解消などの乱れ玉が飛び交っていますので痛い目を見ます。

サプライズとなりますので、しっかりと方向感が出てからエントリーしても十分間に合うと思います。

日本銀行の最後のカードとも呼ばれている黒田バズーカ3。

それにむけて直実に市場は動き出しており、当日には大きな相場変動が起きることは間違いなさそうです。

川島寛貴|みんなの外為スタッフ

川島寛貴|みんなの外為スタッフ

みんなの株式の立ち上げ当初からプロデューサーとしてアライアンス業務を推進。みんなの外為、みんなの米国株、みんなのコモディティなど兄弟サイトの立ち上げも担当。通称「為替王子」