FXコラム

日本の凋落に底打ち感

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FXコラム|2014/07/15

米CNBCは放送を始めた1989年から、今日までの、世界の主要経済の変遷を5つのグラフにまとめた。1989年末は日本株が最高値をつけた年で、その後、株価と不動産バブルが崩壊した。若い人々にとっては、日本経済はこんなにも大きかったのかと感じるグラフとなっている。

1989年のドル円レートは約145円、一方、今日のドル円レートは約102円と約42%円高となっており、その分ドルベースが嵩上げされている(1兆円が68億9700万ドルだったのが、98億0400万ドル)。つまり、円ベースでの落ち込みはもっと激しい。

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私は他国と比較してのこんなにも激しい落ち込みの、最も大きな要因を2つ見ている。他の要因は、他の主要国にも見られることだからだ。

1つ目は、円高。円高はコスト高による目先の競争力だけでなく、研究開発費抑制、人件費抑制などを通じて、中長期的にも競争力を低下させる。

2つ目は、1991年のソ連崩壊だ。私は第二次大戦後の日本の急速な発展は、冷戦構造の賜物だったと見ている。日本の発展は米国にとって不可欠だったのだ。崩壊後は、「世界一の日本(Japan as No1)」などと、大国を脅かす国などいらない。特殊な状況下での順風が、逆風となったのだ。

参照:How the world economy has changed in 25 years
http://www.cnbc.com/id/101802409

2011年に貿易収支が赤字となり、実需の流れが変わって、2012年10月から円安トレンドに転じた。アベノミクスの異次元緩和や財政出動もあり、たった1年ほどで、人余りが人手不足となった。

人手不足で所得増となれば、GDPの6割を占める個人消費が上向く。雇用と所得が安定すれば、未婚者が減り、出産率も高まる。少子高齢化のスピードが鈍り、年金制度の安定も望めるようになる。

円安で日本が割安となれば、輸出競争力だけでなく、旅行産業やサービス業の国際競争力も高まる。企業に研究開発費や人件費の余力が出てくる。人手不足を好待遇で乗り切ることができるのだ。

上記5つの図に見られる日本の凋落に底打ち感が出てきている。何とかこれを本物にしたいものだ。

みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
最新記事:2014/7/14 「NISAとETF」
http:/money.minkabu.jp/45617

[GMO]

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。