予想・見通し

忙しい相場展開

【著者】

外国為替マーケット情報|2014/04/16

昨日の米国時間は良好な企業決算によりリスク地合いが高まるも、米国3月消費者物価指数が市場予想を上回り、NY連銀製造業指数は市場予想に反し低下と強弱入り混じる結果となり、また、注目されたイエレンFRB議長の講演では金融政策に関しての言及はなく、市場へのインパクトは限定的なものとなりました。その後は住宅市場指数が弱含んだことから暗い影が見え始めた市場にウクライナ情勢の悪化が伝わるとリスク回避地合いが強まり、米国債利回りが再び下落、株価も下値を探る動きとなりました。ドル円も一時前日の安値101.66を割り込み101.50近辺まで押し込まれ、豪ドル等のオセアニア通貨、新興国通貨も売られる展開となりました。

その後は株価が持ち直したことからリスク回避が巻き戻されるような動きが強まりました。また、深夜の2時に日経新聞電子版から政府が民間メガファンドの育成を検討していることや4月の月例報告で景気判断を下方修正する方針との報道からの日銀による追加緩和を意識されるような報道も下支えとなりドル円が急騰する場面がみられました。

本日のアジア時間も同報道や堅調な米国株式の流れを引き継ぎ日経平均が堅調な滑り出しを見せたこともありドル円は102円台を回復しての推移となっています。

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【主要通貨の動き】

ドル円は前日の安値を割り込んだものの先週末のサポートである101.30の手前101.50近辺で下げ止まり上昇に転じ、今週のレジスタンスであった102.00を上抜けての推移となっています。次に意識されるのは先週末のレジスタンスである102.15となり、上抜けるとレンジ突破となり、103円台へのトライを視野に入れた上昇期待が高まります。サポートとして意識されるのは昨日の安値101.50、先週末のサポート101.30、最終防衛ラインの100.75と考えられます。
本日はアジア時間に中国のGDP、欧州時間には米国住宅着工件数、建設許可件数、鉱工業生産の経済指標、イエレン議長をはじめとするFED要人のコメント機会、さらにはバンクオブアメリカをはじめとする米国企業の決算発表など粒ぞろいのイベントが予定されています。どれもそれなりに重要なものですが、注目したいのは住宅関連指標と建設許可件数とイエレン議長の講演と考えられ、下げ止まり感の強い米国債利回りの反応と併せてチェックしたいところです。また、ウクライナ情勢も依然として緊迫した状況が続いていることから進展があると昨日のようにリスク要因として意識されるかもしれません。

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ユーロドルは欧州時間に1.38を割り込む場面も見られましたがZEW景況指数の先行きが4カ月連続で下落となったものの現状が市場予想を大きく上回ったこともあり踏ん張りを見せ1.38台をなんとか維持しての推移となっています。下げ渋ったものの上昇モードが強まったとも言えず方向感の薄い推移が続いています。本日はまず、4月9日の安値である1.378が時間足でのヘッドアンドショルダー類似形のネックラインとなりサポートとして意識されると考えられます。割り込むと1.37前半を第一ターゲットとした下落圧力が強まると考えられます。上は昨日の高値である1.3833近辺、先週末の下落後の戻し高値である1.386近辺がレジスタンスとして意識されると考えられます。

本日は欧州時間にユーロ圏の3月消費者物価指数の確報値の発表が予定されていますが、市場の注目はすでにイースター休暇の影響から強い数字となると予想される4月分のものへ移っていることから下方修正されたとしても影響は限定的なものになると予想されます。米国時間はドル円同様、細々としイベントからドルの強弱に左右される展開となることが予想されるため他の通貨ペアと併せてドルの強弱をチェックしたいと思います。

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方向感の薄い状況であったユーロ円はウクライナ情勢の緊迫化を受けて下値を切り下げたものの140.20近辺で下げ止まる動きとなり先ほど141円台を回復となりました。次のターゲットは先週末に上値を2回ブロックしている141.55が強く意識されると思われます。このラインを上抜けると142円台へのトライへ向けた圧力が強まると予想されます。

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ポンドドルは昨日の消費者物価指数の低下を受けて一瞬下落となった後は反発、元の水準での狭いレンジ内での推移となっています。レジスタンスは先週末から上値を抑えている1.675がまずは意識され上抜けると2回上値を抑えた1.682近辺が強く意識されます。サポートは昨日の安値である1.666近辺がまずは意識されると思われます。

本日は英国雇用統計が予定されています。フォワードガイダンスの閾値からは外れたものの金融政策の判断材料としては依然として重要なデータであることには変わらないため発表前後のインパクトはそれなりに大きいものとなることが予想されるため発表直後は注意が必要です。

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豪ドルは豪中銀議事録の発表後は上値の重い推移が続き、ウクライナ情勢の悪化も重くのしかかり下値を切り下げる動きとなりましたが、先ほど発表された中国のGDPが市場予想ほど弱くなかったことから若干買いが入っている状況となっています。ただし、中途半端に市場予想を上回ったことから中国の景気刺激策への期待が若干後退する可能性もあり、そのまま伸びるかは微妙な気もします。

本日サポートとして意識されるのは昨日のサポートとなった0.933、3月末から4月上旬にレジスタンスとして活躍した節目の0.93などが意識されると思われます。レジスタンスは先週末からのレジスタンスである0.9425近辺と考えられます。

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【本日の注目材料】

本日は粒ぞろいのラインナップとなっています。米国時間には昨日に続きイエレン議長をはじめとするFRB要人のコメント機会が多く、さらには悪天候後の米国経済を確認する上でも重要な住宅関連指標、鉱工業生産、深夜にはベージュブックの公表が予定されています。各イベントの結果をどのように市場が受け止めるかの判断は難しいですが、株価、米国債利回りを併せて確認することで市場のリスク地合いが見えてくるかもしれません。
またウクライナ情勢も引き続き目が離せない状況が続いていることからリスク要因として意識しておく必要があると思われます。

【本日の予定】

07:45 NZ1-3月期消費者物価指数
09:00 コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁(投票権あり)講演
11:00 中国1-3月期GDP・鉱工業生産・小売売上高
11:00 中国3月固定資産投資
13:30 日2月鉱工業生産(確報値)
13:45 クレディ・スイス、1-3月期決算発表
15:15 黒田日銀総裁コメント
17:30 英3月失業率・失業者数
18:00 ユーロ圏3月消費者物価指数(HICP)(確報値)
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
20:00 バンク・オブ・アメリカ、1-3月期決算発表
21:00 ロックハート米アトランタ連銀総裁(投票権なし)記者会見
21:30 米3月住宅着工件数・建設許可件数
21:30 加2月国際証券取引高
21:30 スタインFRB理事(投票権あり)講演
22:15 米3月鉱工業生産・設備稼働率
23:00 カナダ銀行(BOC)政策金利発表および金融政策報告公表
23:30 米週間原油在庫
翌1:00 ロックハート米アトランタ連銀総裁(投票権なし)コメント
翌1:25 イエレンFRB議長講演
翌2:25 フィッシャー米ダラス連銀総裁(投票権あり)講演
翌3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト