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日銀「金融システムレポート」で分かること

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FXコラム|2014/04/25

日銀「金融システムレポート」によれば、2012年半ばから、個人の金融資産に占める現預金の比率が目に見えて下がり、株式投信の比率が急上昇している。

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個人による株式の売買は、2013年末まで売り越し基調だったが、2014年初来から買い越しに転じた。日銀の分析では、証券優遇税制の終了を前に大幅な資金流出が生じたが、NISA(少額投資非課税制度)が開始されたことなどを受け、年初には大幅な資金流入が生じたとされる。

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株価が年初来ぱっとせず、アベノミクスや追加緩和への期待感が薄まる中で、こうして貯蓄から投資への変化が見て取れることは、私などからみれば頼もしい限りだ。

一方で、株式先物における海外投資家の比率は一貫して上昇基調で、2013年以降は70%を超えている。海外投資家の動向が株価を左右する割合も増加中だとみなすべきだろう。

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その海外投資家はシカゴ市場で日本株の大幅ロングを抱えたままだ。

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一方、円は大幅ショートを抱えている。これは円キャリートレードによる日本株ロングのリスク選考という見方もできれば、日本株投資の為替ヘッジという見方もできる。どちらも主役は日本株への上昇期待で、そこに投資するために低利調達した円を売ったり、純粋な円安ヘッジのために円の先物売りをしているのだ。

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2006年半ば以降、連動が見られるようになった株高・円安は、2013年から相関関係を強めているが、こういった海外投資家の動向を反映しているとみていいだろう。今後もしばらくはこの傾向が続くと思われる。

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参照:金融システムレポート(2014年4月号)
http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/data/fsr140423a.pdf

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。