米の資本主義は正しく機能しているか? 日本は?

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FXコラム|2014/06/16

米企業のCEO報酬は過去35年間に約10倍に高騰、2013年には平均1520万ドルに達したと、木曜日に発表された研究で分かった。CEO報酬と一般労働者報酬との比率は、1978年の29.9対1から、2013年には295.9対1に拡大した。
参照:CEO pay up 10-fold since 1978
http://news.yahoo.com/ceo-pay-10-fold-since-1978-220722638.html

関連:米多国籍企業はいかにして法人税を逃れているのか
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140611/266714/?P=1
「こうしたペーパー会社にプールされた資産は、計2兆ドル(約204兆円)に達するという驚くべき事実を報告書は明らかにしている。しかも、この額は2008年比で2倍に増えているという。特に売上高トップ30社の所業はすさまじく、隠し資産の額は、アップル1社だけで約1100億ドル(約11兆2200億円)に達するという。これでは米連邦政府に入る税収が少なくなるのも無理はない。」

資本主義はブルジョア階級によるプロレタリア階級の搾取なので、いずれはプロレタリア革命が起こり、平等で共産の社会が来るとされた。しかし実際には、一部の先導的なプロレタリア・グループの独裁、全体主義となり、新たな特権階級が出現した。なんのことはない、戦国時代の下剋上と変わりがなかった。

冷めた目でみれば、既得権を守ろうとする行動と、破壊しようとする行動とには、何ら本質的な違いはない。ボスを入れ替える猿山の猿やアザラシのように、集団で生活する動物の習いのようなものだ。蜂や蟻などは、生まれながらにして、社会での大まかな役割が決まっている。

そうはいっても、1978年のアメリカは、2013年のアメリカよりも10倍も平等で、アメリカンドリームが持てた時代だった。

日本はどうか? 13日朝の経済番組で、識者がアベノミクスの功罪として、光の部分は法人の収益増、闇の部分は従業員の実質賃金の減少を挙げていた。それだけをみれば、ブルジョア階級によるプロレタリア階級の搾取が拡大したとも受け取れる。

アベノミクスは、つまるところ円安効果。その円安は脱原発・エネルギー需要の増大が最大要因とする私だが、それでも大きく評価しているところがある。雇用市場の改善だ。

ほんのわずかの期間に、人減らしから、人材不足となり、NHKの番組では雇用者が「長く働いて頂くためには」と発言していた。1年前には「雇ってやっている」としていた雇用者がだ。そして、賃上げできない企業は生き残れないとなってきた。これは円安効果もあるが、金融緩和、公共投資拡大が大きい。

人材不足により雇用市場は改善し、闇の部分とされた従業員の賃金低下に歯止めがかかってきた。今後はよほど舵取りを間違わない限り、日本は良い方向に向かいそうだ。安倍首相には、何事にも焦らないで貰いたいものだ。

<>みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
<>最新記事:2014/6/16 「欲と恐怖」
http://money.minkabu.jp/45467
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矢口 新

独自テクニカルで『相場のタイミングを捉える』 矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。