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根強い中国景気減速懸念

【著者】

昨日からの流れ

昨日は中国の貿易収支にて輸入が減少していたことで世界景気減速懸念が強まり、リスク回避色の強い相場となりました。円やユーロ、スイスフランなどが底堅い推移となり、中国景気に敏感な豪ドルは上値の重い推移となり、また、反発基調の強まっていた新興国通貨もリスク回避色が強まったことで下落する動きとなっています。
原油価格もIEAが来年も供給過剰が続くとの見通しを示したことで下落し、カナダドル等の原油価格と相関性の強い通貨も売られています。

昨日はポンドの値動きの荒さが目立ちました。欧州時間序盤に英国ビール会社の買収報道にて急騰するも、英国消費者物価指数を控えて、下落、その後発表された消費者物価指数が前年比でマイナス圏に落ちったことで売りが加速、さらに追い討ちをかけるように新たにMPC委員に就任したブリハ委員が議会でインフレ率に関して下振れリスクの方が大きいとのコメントがポンド売りを支援しました。
ポンドドルは1.52にタッチするところまで押し込まれ、ポンド円も182円割れ、ユーロポンドは0.75付近まで上昇する動きとなりました。

また、昨日は9月のFOMCにて金利据え置きに反対票を投じたメンバーでもタカ派寄りのセントルイス連銀のブラード総裁から、十分な経済指標が揃わないため、10月利上げは困難な可能性があるとの見方が示されました。
その他メンバーの最近のコメントでも利上げに慎重なコメントが増えてきており、ドルの対主要通貨での上値を圧迫しています。

主要通貨ペアの推移(2015/10/14)

USDJPY

ドル円は引き続き方向感の薄い状態が続くなか、昨日は上値の重い推移が続きました。先週からのサポートとなっていた119.60付近を割り込むところまで押し込まれる動きとなっています。先週のサポートこそ割り込んだものの、119.50手前で底堅い動きとなっています。

本日はキリの良い119.50を守れるかどうかにまずは注目が集まります。9月末から一度は破られているものの、119.50付近がサポートとして下落を幾度も食い止めているため、割り込んだところには多少のストップ売りが溜まっていることが想定されます。大きな流れでは118.60121.75付近のレンジ抜けを待ちたいところです。

ドル円

EURUSD

ユーロドルは底堅い動きとなったものの1.14を超えたところで押し戻される動きとなり、その後は1.14を突破できずにNYクローズを迎えています。今年に入り、8月24日の大きなショートスクイーズ以外では1.14を超えると押し戻される動きが続き、1.15台に乗せることができていないため、1.15付近を抜けたところにはストップ売りが溜まっていることが想定されるため、接近した際には注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円は方向感の薄い推移となりました。136.00が昨日のサポートとなったため、本日もこの水準を守ることができるかどうかに注目が集まります。市場がドル中心の動きとなっているため、方向感の出難い状況は続くと考えられますが、割り込んだところには多少のストップ売りが出ることが想定されるため、接近した際には注意が必要です。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは英国ビール会社の買収で急騰、英国消費者物価指数で反落、MPC委員のコメントで後押しという流れとなり、1.52にタッチするところまで押し込まれる展開となりました。本日も欧州時間に英国の雇用統計の発表が予定されており、賃金の上昇率によっては発表後に大きな動きとなる可能性があるため、警戒が必要です。現在、先週後半のサポートで会った1.526を割り込み、その付近でもみ合う状況となっているため、この水準で失速してしまうようであれば再度下値を探る動きが強まると考えられます。

ポンドドル

AUDUSD

先週、底堅い動きとなった豪ドルは失速となり、0.72付近まで下落する動きとなりました。以前のレジスタンスとなっていた0.728付近はあっさりと破られています。現在は節目の0.72がサポートとなっているため、本日はこの0.72を守ることができるかどうか、さらには10月8日のサポートである0.7165付近を守れるかどうかに注目です。0.716付近が9月末からの上昇の半値戻しの水準となるため、割り込んでしまうと再度、下値を探る動きが活発化すると考えられます。

豪ドル

本日の注目材料

本日は欧州時間に英国の雇用統計の発表が予定されています。先週のMPC議事録にてインフレ率の弱さへの言及があったことを考えるとやはり注目は賃金の上昇率に集まり、強い結果となれば利上げ観測をサポートしポンド買いが発表直後、短期的に強まることが予想されます。逆に弱い結果となってしまうと利上げ観測がさらに後退し、売りが加速する可能性があるため、注意が必要です。
ユーロ圏の鉱工業生産はエースのドイツの鉱工業生産が弱かったため期待は薄く、弱い結果となっても、影響は限定的になることが予想されます。

米国時間は米国9月小売売上、生産者物価指数の発表が予定されています。小売売上が強い結果となれば昨今強まっているドル売りの流れにブレーキをかける突破口になるかもしれません。生産者物価指数に関しては、今回はFOMC議事録でインフレ率の伸び悩みが指摘されたこともあり、普段よりも注目度は高めと考えられます。同時に発表される小売売上の結果と併せて、ドル中心にそれなりのインパクトを与えることが想定されます。

また、米国では決算シーズンに入っており、本日は米国金融機関の決算発表が予定されています。内容次第では株式市場を通じて相場全体のリスク地合いが揺さぶられる可能性があるため、しっかりと確認しておきたいところです。

本日の予定

08:50 日9月マネーストックM3
10:00 メルシュECB理事講演
10:30 中国9月消費者物価指数・生産者物価指数
17:30 英9月雇用統計
18:00 ユーロ圏8月鉱工業生産
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
20:00 バンク・オブ・アメリカ79月期決算発表
21:00 ウェルズ・ファーゴ79月期決算発表
21:30 米9月小売売上高
21:30 米9月生産者物価指数
22:00 ユンケル欧州委員長コメント機会
23:00 米8月企業在庫
翌3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

翌06:30 NZ9月企業景況感

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト