FXコラム

円は割安、日本株は割高?

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外国為替マーケット情報|2014/05/01

「すべての資産は割高?」では、米国が未曾有の資金供給を行っているために、米ドルの価値が下落していると述べた。その下落が、対円では75円台までのドル安円高となり、また、最高値を更新し続けるほど、米ドル安米株高につながったと述べた。
つまり、資産高は未曾有の資金供給によるものなので、割高とは言えないのだ。

もっとも対円では、2012年末からドル高円安に転じている。その要因としては、2011年から日本の貿易収支が赤字に転じたこと。2012年半ばを底に日米10年国債の金利差が拡大基調に入ったこと。2013年4月から日銀も異次元の資金供給を始めたことなどが重なったことが挙げられる。円安要因の1つも大量の通貨供給なのだ。

日本の資金供給量はこの2年間で2倍ほどに増えている。

参照図:日本の資金供給量(2007年8月~2014年3月)
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モノやサービス、あるいは株価などの資産価値は、日本の場合では日本円で測る。モノやサービスの供給が需要以上に増えれば、対円での値段が下がる。これがデフレだ。

通貨(日本円)でも、モノやサービスと同様、需要より供給が勝れば下落する。この時、通貨の価値の物差しは、他の通貨や、すべてのモノやサービス、資産価値となる。通貨供給量が短期間で2倍ともなれば、通貨の値下がりは避けられない。そして、通貨の値下がりは、他の通貨や、すべてのモノやサービス、資産価値の値上がりとなって表れる。これがモノやサービスのインフレ、あるいは資産インフレだ。

今後米ドルの供給が細り、円の大量供給が続くと、円はさらに安くなり、日本株は高くなる可能性が高い。日本の通貨供給量は異次元と呼ばれているものだ。つまり、これまでの次元での比較を否定しているので、言葉通りなら、今後どこまで円安、株高になるかと判断することも否定されている。

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。