FXコラム

Q&A:実需が増えやすいタイミングは?

【著者】

Q1最近、マーケットに関連するニュースで「五十日(ごとうび)で今日は実需のドル買いが増えた」というコメントが多く見られました。

ほぼドル円に限っての質問なのですが、実需のドル買いが増えやすいタイミングがあればその理由を教えてください。(ある特定の時間帯や時期で実需のドル買いが増えやすい時というものがあるのでしょうか?)

A11日のうちで、需給要因が最も現れるのは、午前10時少し前です。10時についたレートをもとに、TTMが決められ、自動的にTTB、TTSが決められるからです。ちなみに、TTM以下は次のようなものです。

TTM(Telegraphic Transfer Middle rate)対顧客電信仲値
TTB(Telegraphic Transfer Buying rate)対顧客電信買い値
TTS(Telegraphic Transfer Selling rate)対顧客電信売り値

TTMは実際に10時の時点で付いたレートです。

海外旅行者が外貨を買う場合には、銀行側の売り値、TTSで買うことができます。買い値、売り値の差、ビッド・アスクのスプレッドが広いのは、銀行が立場の弱い個人相手に手数料として多くを上乗せしているためで、企業相手には1、2銭のスプレッドにまで縮まります。

銀行は、外貨買いが多いと見込むと、予めTTMを高めにするために、その前から外貨を買い上げるのですが、それが相場操縦と見なされるようになってからは、ほどほどにしているようです。

1カ月のうちでは、ご指摘のような五、十日(ごとうび)に需給要因が見られるかも知れません。実際のところは、私自身はよく知らないのですが、外国への支払いである外貨買いが五十日(ごとうび)に出るよりも、国内への支払いである円買いが出る、金額の方が多いのではないかと推測します。もっとも、スポットレートは2営業日前ですので、三、八日が相当しますか?

1年のうちでは、4、5月や、10、11月には新規投資の外貨買いが出やすく、9月と3月は決算調整のための、いわゆるリパトリ(円回帰)の円買いが出やすいと言えます。

以前、輸出金額最大手企業の財務担当者から直接聞いたところでは、10日毎に売上高の外貨金額を集計し、状況に応じて円買いを早めたり、遅らせたりすると言っていました。

Q2回答ありがとうございます。

10時頃に大きく動いている理由がよくわかりました。また、季節的な変動要因についても理解できました。

頭ではTPA理論を理解しているつもりでも値動きの根拠がわからないと「なぜこんなに動くのだろう」と不安になり、まだまだ、エントリーが遅かったり、決済が早すぎることが多い状況にあります。

理論と実践の脳内乖離を縮めるべく自信をもってトレードできるように精進していきたいと思います。

A2そうですね。

チャートだけを手掛かりに、機械のように反応できれば、それはそれで機能すると思います。

しかし、値動きの裏側にある根拠となるものを理解していると、行動に迷いがなくなってきます。一方、根拠を裏切る動きが見えると、何故だろうと考えることになり、自分の間違いや見落としに気付いて、成長に結びつくのです。

私は何も知らないところから始めましたが、そういったことを30年以上も繰り返すことで、皆様より少しばかり先を行くことができました。

私を抜くように、私は抜かれないように、お互い頑張りましょう。

【みんかぶマガジン】矢口氏のコラム
最新記事:16/12/5「イタリア国民投票の焦点
矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。