ドラギ総裁の会見に注目

【著者】

昨日も為替相場は大荒れの状態となりました。欧州時間中盤に浜田内閣官房参与が前日のコメントを修正し、今度は「ドル円120円は許容範囲内」とのコメントが報じられたことからドル円が急騰しクロス円も併せて急騰する動きとなった後、米国時間に発表された米国小売売上が市場予想を下回る結果となったことを受けて、ユーロなど売り込まれていた欧州通貨を中心にドル売りが活発化しドル全面安の展開となりました。そこまで悲観するような結果ではないと考えられるものの、寒波やストライキの影響が薄れ、ガソリン価格の下落、直近での弱い結果が続いていたことからの反動、好調な自動車販売などから実際の期待値は市場予想として出ている数字よりも高い数字となっていたことが予想されます。さらに、ユーロ売りのポジションも相当数溜まっていたこともドル売りに拍車をかけることになりました。

米国株式市場はナスダックが下落となったものの、ダウ、SPは踏ん張りプラス圏内での推移となったのに対し、米国債利回りは軟調な推移が続いています。また、原油価格はイランの政府関係者から「OPECは生産を5減らす必要がある」等のコメントが出たことから底堅い推移となっています。

【主要通貨ペアの推移】

ドル円は120.00を割り込み上値の重い推移を続けていましたが、欧州時間中盤に浜田内閣官房参与の「ドル円は120円は許容範囲内」と前日のコメントを否定するコメントが報道されたことで急騰し、一時120円台を回復する動きとなったものの冴えない米国小売売上を受けて大きく下落する動きとなり119円割れへのトライへ向かう動きとなりました。結局119円割れは回避できたものの、上値の重さは残った状態が続いています。
本日は120円台を回復できるかどうか、昨日のサポートとなった119.00を守れるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

ドル円

ユーロドルは冴えない米国小売売上の結果を受けて買いが進み、ショートスクイーズ状態となり100pips以上の上昇を見せました。しかし一巡すると上値の重い状態となり、1.06台中盤を割り込むところまで押し込まれている状況となっています。

本日は昨日、レジスタンスとなっていた1.06がサポートとして踏ん張れるかどうか、昨日のレジスタンスとなった1.07付近をしっかりと突破できるかどうかに注目が集まりますが、ECB理事会、ドラギ総裁の記者会見により上下に大きく振れる可能性があり、読みにくい状況が続くと予想します。

ユーロドル

ユーロ円はアジア時間には上値の重い推移を続け、126円台前半まで押し込まれる動きとなったものの、欧州時間中盤から浜田内閣官房参与のコメントで強まった円売りや、米国時間に発表された米国小売売上が冴えない結果となったことから強まったユーロのショートスクイーズにより大きく上昇し、127円台を回復する動きとなりました。

本日は、前日にもみ合いとなった127.00付近をしっかりと守れるかどうかにまずは注目したいところですが、欧州時間にECB理事会、ドラギ総裁の記者会見を控えていることから内容次第で不安定な推移となる可能性があるため十分に警戒が必要です。

ユーロ円

ポンドドルは欧州時間に発表された英国消費者物価指数が冴えない結果となったことから、下値を切り下げる動きとなりましたが、その後は堅調な動きとなり、冴えない米国小売売上で火が付き1.48に迫るところまで上昇となっています。

本日はその1.48を突破できるかどうかに注目が集まります。昨日のNY後半のサポートとなった1.4765付近を割り込むと利益確定売りが進む可能性もあるため注意が必要です。

ポンドドル

豪ドルは上値の重い推移が続きましたが、冴えない結果となった米国小売売上の発表後はアジア時間の高値をあっさりと上抜け上昇に転じる動きとなりました。0.765付近がレジスタンスとなり伸び悩む状態となっていますが、本日はしっかりと0.76台を守れるかどうかに注目したいところです。
アジア時間には中国のGDPをはじめとする重要経済指標の発表が予定されているため、大きく振れる可能性があるため注意が必要です。

豪ドル

【本日の注目材料】

本日はアジア時間に中国のGDPをはじめとする経済指標の発表が予定されているため、豪ドルをなどの資源国通貨を中心に結果に揺さぶられる展開となるとことが予想されます。弱い結果となると相場全体にリスク回避の流れを植え付ける可能性があるため警戒が必要です。

欧州時間はドイツの消費者物価指数の確報値、ユーロ圏の貿易収支の発表が予定されていますが、市場へのインパクトは限定的になると予想されます。

米国時間はECB理事会、ドラギ総裁の記者会見に注目が集まります。ユーロ圏で比較的良好な経済指標が出てきているものの、引き続き物価が伸び悩んでいることもあり、金融政策は据え置きが予想されますが、ドラギ総裁の記者会見で景況感の改善を強調するようであれば、一部で囁かれているQEの早期終了説が意識されユーロ買いでの反応となる可能性もあるため十分に警戒が必要です。米国発の材料ではNY連銀製造業景況指数、ベージュブックの発表が予定されています。NY連銀製造業景況指数は今週続く製造業関連の経済指標の先頭バッターとして注目され、冴えない数字の続く製造業に巻き返しの兆しがあるかどうかをしっかりと確認したいところです。
ベージュブックも発表直後のインパクトは薄めではありますが、米国経済の状況をFEDが把握する上で重要なデータであることから軽視は禁物です。

【本日の予定】

11:00 中国3月小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資
11:00 中国13月期GDP
13:30 日2月鉱工業生産(確報値)
15:00 独3月消費者物価指数(確報値)
15:15 黒田日銀総裁コメント機会
18:00 ユーロ圏2月貿易収支
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
20:00 バンク・オブ・アメリカ決算発表
20:45 欧州中央銀行(ECB)理事会政策金利発表
21:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁記者会見
21:30 米4月NY連銀製造業景況指数
21:30 加2月製造業出荷
22:00 ブラード米セントルイス連銀総裁(投票権なし)講演
22:15 米3月鉱工業生産・設備稼働率
23:00 カナダ銀行(BOC)政策金利発表および金融政策報告公表
23:00 米4月NAHB住宅市場指数
翌3:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
翌5:00 米2月対米証券投資

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OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト