予想・見通し

ドル売り続く・・・。

【著者】

外国為替マーケット情報|2014/05/07

先週末は強い雇用統計を受けた直後のドル買いからウクライナ情勢の悪化をきっかけとした米国債利回りの低下によりドル買いは失速、逆にドル売りが強まり、昨日も強い欧州のPMIが突破口となり対欧州通貨でのドルが売られ、ドル安が続きました。また、OECDの成長率見通しも下方修正されたことやウクライナ情勢も緊迫が続いていることが市場のリスクオフ地合いを強め、円買いが進みやすい地合いが続いています。

先週からの米国の経済指標は過去の数字ともいえるGDPが弱かったのに対し、4月の雇用統計やISM景況指数等の直近のデータは良好な結果が続き米国経済の寒波による停滞からの回復基調が鮮明になっていることはドルにとって明るい材料といえますがウクライナ情勢、弱い米国のインフレ率などが重しとなり、米国債利回りは低迷を続けている状況となっています。

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ドル円は良好な雇用統計を受けて上昇し103.00にタッチした後はウクライナ情勢の悪化懸念などからの米国債利回りの下落に併せ下値を切り下げる動きとなりましたが、サポート候補の一角である101.50付近で一旦の下げ止まりをみせています。現在は2月初旬と4月中旬の安値を結んだトレンドラインの中での推移ということもでき、まだ一応保ち合いが崩れたともいえない状況となっています。日足チャートでみると、100.75近辺までは複数の押し戻しゾーンが存在し、すんなりと下抜けるのは難しそうに思えます。
 ただし、最終防衛ラインと思われる100.75を割り込む状態となると98円台を目指した大きな下落圧力が加わる可能性もあるため神経質な展開が続くと思われます。

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不沈空母ユーロは昨日発表のPMIにてドイツ以外の国が健闘したこともあり、ようやく保ち合いを上抜け上昇圧力を強めました。ECBによる追加緩和観測も後退したとみられ、1.39をしっかりと上抜ける推移となっています。次のターゲットは3月の高値である1.3966近辺で上抜けると大台の1.4トライとなります。本日は明日にECB理事会、ドラギ総裁の会見を控えていることから、様子見モードが強まると思われます。

ただし、マーケットの追加緩和観測の後退が強い、また、本日のイエレン議長の議会証言がハト派な内容でドル売りが強まるようであればジリジリ上昇、ストップ買いを探す旅に出る可能性も否定できません。サポートとしてまず意識されるのはレジスタンスであった1.39となり、このラインをまずは守りきれるかに注目したいところです。

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ユーロ円はドル中心の相場でドル円、ユーロドルの綱引きにより方向感のない推移が続いています。まだしばらく様子見モードが続きそうな気配がしています。

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レジスタンスラインを上抜けたポンドは昨日の強いサービス業PMIの結果を受けて上値を伸ばし1.7に迫る動きとなりました。1.7を上抜け2009年につけた高値1.7043を上抜けると月足チャートではトリプルボトム?のような形のネックライン越えとなり更なる大きな上昇波動へとつながる可能性が高まりますが、そのラインを守る力もそれなりに強いものがあるとも予想されすんなり上抜けるかどうかは難しく、投機筋の買いポジションも溜まっていることを考えると、利食いが先行するシナリオも頭に入れておく必要があると思われます。

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豪ドルもドル売りの流れを受け上昇し直近のレジスタンスであった0.93を上抜け上値を伸ばしていますが0.93後半から0.945にかけては4月に上値を抑えた難所が続くこともあり、そのゾーンを上抜けるまでは上昇基調が強まったとは言い難いと思われます。直近のサポート候補はレジスタンスであった0.93、さらにはその下のサポートとなっていた0.92が意識されると思われます。

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【本日の注目材料】

本日は米国時間のイエレン議長の議会証言に注目が集まります。
先週の強めな雇用統計を受けて米国経済の回復に対して明るいトーンであれば金利先高観測を強めドル売りに歯止めをかけると考えられますが、相変わらず労働市場のスラックを注視し低金利の長期化を強く意識させるような内容となりドル売りが強まるというシナリオも想定されます。これまでのイエレン議長のコメントを考えると後者となる可能性が高いと考えられます。そのため、前者であった場合の市場へのインパクトは強くなると予想されます。

【本日の予定】

南ア総選挙(下院選挙・大統領選挙)
南アフリカ市場休場(選挙の日)
07:45 NZ1-3月期失業率・就業者数
08:00 スタインFRB理事講演
08:50 日銀・金融政策決定会合議事要旨公表(4月7-8日開催分)
10:30 豪3月小売売上高
10:45 中国4月HSBCサービス業PMI
15:00 独3月製造業受注
17:30 安倍首相、ファンロンパイEU大統領、バローゾ欧州委員長会談
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
21:30 米1-3月期非農業部門労働生産性・単位労働コスト(速報値)
21:30 加3月建設許可件数
23:00 イエレンFRB議長、経済委員会で証言
23:30 米週間原油在庫
翌2:00 米10年債入札
翌4:00 米3月消費者信用残高

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト