ドル高地合い続く

【著者】

昨日からの流れ

昨日はドル高。米国時間に発表された雇用統計の前哨戦となるADP雇用統計が、市場予想を若干上回る安定推移となったことに加え、貿易収支は市場予想以上に赤字縮小、ISM非製造業景況指数も市場予想を上回る好結果となりドル買い材料が並びました。また、イエレン議長の議会証言では銀行規制に関するものなので金融政策に関するコメントは期待していませんでしたが、今後のデータ次第という前置きはあるものの、12月利上げの可能性が十分にあることが示されたこともドル高をサポートする材料となりました。声明文の内容と変わることはなかったためサプライズではありませんでしたが、12月利上げの可能性が再確認されたことがドル買いを誘いました。

続くNY連銀のダドリー総裁もイエレン議長のコメントに追随する内容となり、今後の米国のデータが悪化ということにならなければ12月利上げ、利上げペースは緩やかというのが市場予想の中心となると考えられ、ドル高をサポートする材料と思われます。ユーロドルは1.09を割り込み、ドル円は121円台後半での推移となっています。
その他市場はドル高、原油在庫が増加となったことで原油価格は下落、株式市場は反落となっています。

また、本日、早朝にRBAのスティーブンス総裁の講演にて次に金融政策の変更があるならば緩和である旨のコメントが意識され豪ドルは上値の重い推移となっています。

主要通貨ペアの推移(2015/11/05)

USDJPY

ドル円はレンジの上辺を試す動きとなっています。しっかりと8月末のレジスタンスである121.75付近、節目の122.00付近を上抜ける動きとなると溜まった力を放出し大きな上昇となる可能性が高まりますが、明日は雇用統計と悩ましい状態となっています。122付近は通貨先物でもキリの良い0.82を抜ける水準となるため、突破すると5月に見せたような上昇となる可能性も考えられます。

ドル円

EURUSD

ユーロドルは先週の安値を更新し、1.08台まで押し込まれる動きとなっています。次に意識されるのは7月のサポートとなった1.08付近で割り込むと1.05付近も視野に入れた下落余地が広がるため注意が必要です。
本日は欧州時間のドラギ総裁の講演、BOEのスーパーサーズデーなどイベントに振り回される可能性があるため、注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円は上値の重い状態が続き、132円を割り込むところまで押し込まれる動きとなっています。本日は先週のサポートとなっている131.60付近を守れるかどうかに注目が集まります。
日足チャートでは緩やかな下降トレンドとなており、131円付近がサポートとなりそうな気配もありますが、割り込んでしまうと130円割れも視野に入れた下落余地が広がるため注意が必要です。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは底堅いサービス業PMIの結果を受けて上昇するもドル高に押され下値を探る動きとなり1.54を割り込む動きとなっています。
本日は欧州時間にBOEのスーパーサーズデーとなるため、日本時間の21:00時前後は大きく上下に振れる可能性があるため注意が必要です。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは上値の重い推移となりました。ドル高に押され、また本日早朝にもスティーブンス総裁の講演にて次に変更があるとしたら緩和とのコメントが上値を圧迫しています。
日足チャートでは引き直した下降トレンドラインの下で伸び悩む推移が続いており、引き続き上値の重さは残ることが想定されます。

豪ドル

本日の注目材料

本日もイベント盛りだくさんの1日となります。アジア時間にはフィッシャーFRB副議長の公演が予定されており、昨日のイエレン、ダドリーと同様に年内利上げの可能性を再確認する内容となればドルのサポート材料となると考えれます。欧州時間はドイツの製造業受注やユーロ圏の小売売上も予定されていますが、ドラギ総裁の講演にも注目が集まります。追加緩和観測が高まりユーロ売りが進んでいるだけに、追加緩和に関して否定的なコメントには少し注意が必要です。

また、英国ではBOEの金融政策の発表、MPC議事録、四半期インフレレポートが同時に発表されるスーパーサーズデーとなります。今回の会合での政策金利の変更の可能性はほとんどないと考えられますが、議事録での利上げ賛成票の数、インフレレポートで原油価格の下落の効果が薄れる今後に関して引き続きインフレ率に関して強気姿勢を維持することができるかどうかなどに注目が集まり、発表前後はポンドを中心に大きく相場が動く可能性があるので注意が必要です。

米国時間は経済指標は新規失業保険申請件数、四半期非農業部門労働生産性などの発表が予定されていますが、その他、FOMCメンバーのコメント機会が多数予定されています。昨日のイエレン議長のコメントの後ということで材料としては弱い可能性も考えられますが、一応警戒が必要です。
また、雇用統計前ということでポジション調整等にも注意が必要です。

本日の予定

08:50 日銀・金融政策決定会合議事要旨公表(10月67日開催分)
09:30 フィッシャーFRB副議長、講演
10:00 ロウRBA副総裁、討論会に参加
16:00 独9月製造業受注 
18:00 ECB、経済報告公表
19:00 ユーロ圏9月小売売上高
19:00 欧州委員会、経済見通しを発表
19:45 ドラギECB総裁講演
21:00 BOE金融政策委員会(MPC)政策金利発表、議事録、四半期インフレ報告公表
21:00 ユンケル欧州委員長講演
21:30 米10月チャレンジャー人員削減予定数
22:30 米79月期非農業部門労働生産性(速報値)
22:30 米79月期単位労働コスト(速報値)
22:30 米新規失業保険申請件数
22:30 ダドリー米NY連銀総裁、ラガルドIMF専務理事、フィッシャーFRB副議長、講演
22:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁(投票権なし)講演
翌0:00 加10月Ivey購買部景況指数 
翌3:30 ロックハート米アトランタ連銀総裁(投票権あり)講演
翌6:00 バーナンキ前FRB議長講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト