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ドルの買い戻し続くか?

【著者】

昨晩の概況

先週末の相場は中国の取引規制強化や資金枯渇が近づいているギリシャのデフォルト懸念が材料視されリスク回避色の強い相場となりました。そのようななか発表された米国の消費者物価指数は市場予想を上回り、米国の利上げ観測を高めドル買いが強まる状態となりましたが、リスク回避色を払拭することはできず、円やスイスフランといった安全通貨は発表後こそドル買いとなったものの、その後は反発に転じています。

米国の消費者物価指数と同時に発表されたカナダの消費者物価指数は強い結果となりカナダドルをサポートするも米国の消費者物価指数で強まったドル買いの動きに飲み込まれ、カナダドルは伸び悩む動きとなりました。

【主要通貨ペアの推移】

ドル円は上値の重い動きが続いています。米国時間に発表された消費者物価指数が強い結果となったことから上値を追う動きが活発化する場面もみられましたが、中国の取引規制強化、ギリシャデフォルト懸念などから株式市場が大幅下落となったことなどからのリスク回避の円買いに頭を抑えられ119円を割り込むところでの推移となっています。

日足チャートでは横滑りで引き直した上昇トレンドラインを再度割り込む動きとなりました。次のサポートとして意識されるのは2月から幾度と下落を食い止めてきた118円台前半でこの水準を割り込むと完全に下向きとなり下落圧力が強まる可能性も十分に考えられるため、118円を割り込んでくるよな動きとなった場合は警戒が必要です。

ドル円

ユーロドルは欧州時間は底堅い動きとなったものの、NY時間に発表された米国の消費者物価指数が市場予想を上回る結果となったことから反落する動きとなりました。しかし、その後は底堅さをみせ1.08を挟んだ攻防となっています。本日は金曜日にサポートとなった1.074付近を守れるかどうかに注目が集まります。割り込むような動きとなると下値を探る動きが活発化する可能性が高まります。

また、今週末にユーロ圏財務相会合を控え、資金の枯渇が時間の問題となっているギリシャのデフォルト懸念が強まりつつあるため、報道で一喜一憂する可能性も考えられるため突発的な動きには注意が必要です。

ユーロドル

ユーロ円は方向感が薄いなかでも底堅さを見せ、128円台を守りきる動きとなりました。直近のダブルトップのネックラインが128円台中盤であったことから、この水準をしっかりと上抜けることができるかどうかで方向感を探ることができるかもしれません。この水準で失速してしまうようであればサポートがレジスタンスに変わる典型的なパターンとなり、下落基調が続くと考えられますが、しっかりと上抜け129円台に乗せることができれば、引き直したトレンドラインを再度上抜けとなり上昇トレンドへの転換、またはトレンドレスの状態へ移行する可能性が高まります。

ユーロ円

ポンドドルは英国雇用統計にて賃金の上昇が確認されたことからレジスタンスとなっていた1.5を上抜ける動きとなり上値を伸ばす動きとなったものの、その後は米国の消費者物価指数が底堅さを見せたこともあり失速する動きとなりました。日足チャートでは長めな上髭を残す動きとなったことから本日も上値の重さが残る可能性が考えられます。金曜日のサポートとなった1.492付近をしっかりと守れるかどうかに注目したいところです。

ポンドドル

豪ドルは底堅い動きを続けていましたが、先週末の米国消費者物価指数をきっかけに強まった米ドル買い戻しの動きに押され伸び悩む推移となりました。本日は週末に発表された中国の準備金比率の引き下げを受けて上昇してのスタートとなりましたが、その後は窓を埋めるような状態となり上値の重さも残る動きとなっています。日足チャートではダブルボトムを形成し、上昇余地が多少ありそうな形となっていますが反落にも警戒が必要な動きとなっています。

本日は金曜日のサポートとなった0.776付近を守れるかどうか、金曜日の欧州時間のレジスタンスとなった0.784付近を上抜けることができるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

豪ドル

【本日の注目材料】

本日は大きな経済指標の発表は予定されていないものの、ECB、BOC、RBAなどの中銀の総裁、副総裁のコメント機会が予定されています。なかでもカナダ中銀総裁やRBA総裁の講演からは追加利下げに関する手がかりが出てくる可能性もあるため警戒が必要です。

また、先週末に発表された中国の取引規制強化やギリシャのデフォルト懸念などからのリスク回避色の強さを株式市場の動向を中心に探っていきたいところです。ギリシャのデフォルト懸念が強くユーロ売りが強まるような状態となるとドルの買い戻しの動きが強まるというシナリオも考えられます。

【本日の予定】

07:45 NZ13月期消費者物価指数
08:01 英4月ライトムーブ住宅価格
08:50 日2月第3次産業活動指数
18:00 ユーロ圏2月建設支出
20:15 モルガン・スタンレー決算発表
21:30 米3月シカゴ連銀全米活動指数
22:00 コンスタンシオECB副総裁証言
23:05 ポロズBOC総裁講演
翌1:30 スティーブンスRBA総裁講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト