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原油安、中国人民元切り下げは9月利上げの障害に?

【著者】

先月の時点では単なる懸念だったが

昨日の海外時間には、米FOMC議事録が公表され「大部分は利上げが近づいている状況と判断」としながらも賃金インフレやドル高、中国情勢などに懸念が示されていたことから米長期金利が低下しドルが売られました。

欧州時間序盤、独国債利回りが低下したことからユーロ売りが優勢となって、ユーロドル(EUR/USD)は1.1030付近まで、ユーロ円(EUR/JPY)は137.10円台まで下落しました。この間ドル円(USD/JPY)は124.30円付近の小動きが続きました。

NY時間にはいって発表された米・7月消費者物価指数はほぼ予想通りでしたが、一旦低下した米長期金利が上昇したことから、ドル円は124.00円台まで下がったあと124.40円台まで上昇し、ユーロドルは1.1070台まで上昇したあと1.1010台まで反落しました。しかし米長期金利はしばらくすると低下する流れになって、ドル売りが優勢となって、ドル円は124.00円台まで下落し、ユーロドルは1.1070付近まで上昇しました。この間ユーロ円は137円台前半での上下となっています。

NY時間午後に米FOMC議事録が公表されると、米長期金利が低下したことからドル売りが強まって、ドル円は123.60円台まで下落し、ユーロドルは前日高値を上回るとストップ・ロスも巻き込んで1.1130台まで大きく上昇し、ユーロ円も137.80円台まで上昇しました。

今日の海外時間には、独・7月生産者物価指数、英・7月小売売上高指数、米・新規失業保険申請件数、米・8月フィラデルフィア連銀景況指数、米・7月景気先行指数、米・7月中古住宅販売件数の発表と、ノボトニー・オーストリア中銀総裁の講演が予定されています。

昨日公表されたFOMC議事録によれば「大部分は利上げが近づいている状況と判断」としながらも「賃金インフレ加速の時期が不透明」とされたほか「幾人か、中国の米経済見通しへのリスクを討議」「数人が更なるドルの上昇及びエネルギー価格の下落を受け、インフレ率に引き続き下方圧力がかかる可能性」などとされました。前回(7月28~29日)FOMC開催後の情報を見ると、雇用統計はほぼ予想通りであったものの、原油相場は48ドル台から40ドル台まで大幅に下がり、中国は人民元を約4.5%切り下げています。こうした動きを考えると、9月の利上げ開始は遠のいたのではないでしょうか。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト