FXコラム

ボラティリティの低下に思う

【著者】

FXコラム|2014/06/11

金融市場のボラティリティが下がっている。米株式市場で、恐怖指標とも呼ばれるVIX指数は7年来の低水準に低下した。また、世界通貨ボラティリティ指数は記録を取り始めた2001年以来の低水準となった。原油のボラティリティは2007年来の低水準となっている。

volutility
出所:bloomberg

市場のボラティリティの低下は、投機的売買が相対的に小さくなっていることを意味している。投機資金は借入金でレバレッジを高め、大量に売買することで価格変動を大きくするからだ。その価格変動が小さくなっているということは、投機的売買が縮小しているか、あるいは、投資や実需が大きくなっているために、相対的な力が弱くなっているのだ。私は、その両方かと見ている。

volutility-1

主要中央銀行による大量の資金供給は、資産や実需品目の価格を押し上げる。売買するのにより大きな資金を必要とするようになる。一方で、銀行などはレバレッジを控えるように指導されているので、投機資金の相対的な力は弱くなる。

外為ディーラーたちの2014年前半の収益は過去最低となる見通しだ。そんな中で、キャリートレードだけがほぼ唯一の収益源となっていると聞く。伝統的な円キャリー、スイス・キャリーに加えて、米ドル・キャリーやユーロ・キャリーも盛んだ。金利差享受を狙うキャリートレードは価格の変動を好まない。

中長期にわたってボラティリティが下げ続けていたため、値ごろ感からボラティリティを買う動きが見られたが、こういった趨勢には逆らえない。まだ、しばらくは低水準が続くかもしれない。

みんなの株式に掲載されている矢口氏のコラムご覧ください
http://money.minkabu.jp/author/auth_yaguchi
最新記事:2014/6/9 「億万長者がおかす投資の失敗、トップ5」
http://money.minkabu.jp/45353

[vertiul trade]
clicksec_468x60

矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。