円安はどこまで行くか?

【著者】

日本の2015年3月の貿易収支が黒字となったことで、2011年以降の円安トレンドを支えていた貿易面での円売り実需が、円買い実需に負けるようになった。私は日本の貿易収支とドル円の長期レートには強い関連性があると見なしている。

円売り

このまま貿易黒字が定着するようだと、いつまでも長期トレンドは円安だとは言ってられなくなる。

貿易収支

そこで、「私はこれまで、ドル円は最大160円くらいまで円安の可能性があると見ていたが、最大でも145円止まりの可能性になると修正したい」とした。

参照:貿易収支は黒字化するか?
https://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/surplus-trade-balance/

とはいえ、4月27日時点のドル円レートは118円台の後半なので、まだ25円以上も円安の余地がある。果たして、貿易面での円買い実需が勝るようになっても、そこまでの円安が見込めるのだろうか?

私はまだ中長期トレンドは円安であり、145円近くまでの円安は十分に可能性があると見ている。理由は米連銀利上げによる日米金利差拡大と、日本の機関投資家による外債投資の拡大だ。私は日米の金利差とドル円の中期レートには強い関連性があると見なしている。

日米金利差

生保主要9社の2015年度の計画によると、外債への新規投資額の合計は4兆円に迫る水準となった。また、GPIF、KKR、地共済、私学共済、地方自治体の各種年金を合わせると、今後数年間で30兆円近くもの外貨建て投資拡大が見込まれている。

投機筋のドル買い円売りポジションはそれ程大きくないので、これら実需の円売りによって、中長期の円安トレンドは続くと見ている。

【みんかぶマガジン】矢口氏のコラム
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矢口 新

独自テクニカルで『相場のタイミングを捉える』 矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。