人民元の切り下げと市場への影響

切り下げの目的とは

中国が2日連続で人民元を切り下げました。
8月11日は1.9%、本日は1.6%切り下げ元安ドル高誘導を行っています。
これにより12日の人民元の基準値(日本の仲値の様なもの)は1ドル6.3306元となりました。

ちなみに、1ドルは今125円ですから1人民元は約790円程。
(計算式:125円 × 6.3306元 = 791円)

人民元の切り下げの目的としては、景気減速に対すて通貨安誘導を行うことにより輸出の後押しをおこなうことでしょう。

8日(土)に発表された中国の貿易統計は前年同月比8.2%のマイナスとなり、5ヶ月連続で前年同月を下回っています。この数字が先に出ていることにより、アメリカをはじめとする国外からの批判もないといったところでしょう。

本日発表された7月の小売売上高も前年比は10.5%となり予想の10.6%を下回りました。また、鉱工業生産も6.0%となり予想の6.6%を大きく下回っています。

日本も円高が進み過ぎた時には為替介入というかたちで円安誘導を行いましたので、それと似ている政策ですね。

マーケットの反応

では、この人民元の切り下げを受けての各マーケットの反応を見ていきましょう。

まずは人民元/円です。

人民元円

当然ですが、元安円高に進んでいますね。2%程度ですので、ドル円が2円ほど急落したのと同レベルです。黒田ショックが起きた時と同様の下げ幅ですね。

日経平均株価はインバウンド消費が冷え込むのではないかという思惑と、中国経済の後退への思惑が進み大幅に下落しました。年初来高値目前でしたが、2日で600円も下落してしまったことになります。
日経平均

個別銘柄:ラオックス(8202)
ラオックス

昨日は久しぶりの高値へ上昇していましたが、一気に叩き落されることとなりました。

この他にも欧州株やNYダウも下落しており、日経平均の年初来高値更新はまたもお預けとなってしまいました。

中国の現状

中国は個人消費が伸び悩んでおり、うえに挙げた輸出の減少や不動産はもちろん、内需の低迷による成長の鈍化が顕著になっているようです。
先日7%成長と発表されたGDPの数字は実は2%程度ではないのかという予想も出ているほどです。

そんななか、株価は過去にないほどの暴落となり、巨額の資金と有りえないほどの強攻策を打ちだしても株価は上昇しない。

そして、次に目を付けたのが通貨だったということでしょう。ちょうどIMFから人民元の特別引き出し権SDR)入りの検討延期がありましたので、延期するなら勝手にやらせてもらいますよといわんばかりの行動。
これに関してIMFは「中心レートの新たなメカニズムは歓迎される措置」と前向きなコメントを発表しています。

恐らく、中国経済の減速は我々の予想以上に深刻であり、近いうちにまた政策金利の引き下げや預金準備率の引き下げを行うのではないでしょうか。

今後も、日本時間10時15分ごろに公表される人民元の基準値に注目が集まります。

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児山将|みんなの外為スタッフ

児山将

みんなの外為で記事を書いています。 大学生の時からFXを初めて6年以上。FXの楽しさを伝える為に、みんなの外為を盛り上げていきます。初心者の方でも分かり易く学べるように、難しい専門用語やマーケットの説明、FX業界について記事にしていきます。 みんためのTwitterでもつぶやき中!