FXコラム

Q&A:ポジションの偏りをリアルタイムで知りたい

【著者】

ロンドン市場のトレーダーは、東京などアジア市場のポジションの傾きを狙う傾向があると聞きました。

マーケットのポジションが、売りと買いのどちらに傾いているのか、値動きを分析することで、わかるものなのでしょうか。

インターバンク・ディーラーは取引バンクがわかるので、ある程度想像して可能でしょうが、個人投資家は不可能ではないかと思うのです。

シカゴIMMポジションやFX会社の個人投資家ポジションは、発表されるのにタイムラグがあります。

リアルタイムにポジションの傾きがわかる方法はありますか。TPA理論と組み合わせれば、トレードに優位性を持てそうです。

ニューヨークにいた頃、生保のファンドマネージャーに誘われて、ロングアイランド沖での「かれい」釣り大会に参加したことがあります。数十人がクルーズに乗る大きな大会で、数時間の船釣り大会です。私は、釣りは初めてだったのですが、5匹釣り上げて、数では一番になりました。なんとなく、海底近くを泳いでいる「かれい」の動きを想像していました。かかったな。針を飲み込んだな。などという感触です。ポジションの偏りを読むのも、似たようなものです。本当には分からないので、当たり外れするものです。釣りの大会で数で優勝できたのは、当時の私は「乗っていた」ということだと思います。

市場のポジションの偏りを、正確に知ることはできません。仮に、限りなく正確なデータがあるとすれば、それが発表された途端にポジションを変化させる動きが出るでしょうから、いつまでも正確であるとは限りません。

では、リアルタイムでポジションの変化を知ることができれば便利でしょうか? それが価格に忠実に反映されなければ、かえって煩わしくはないですか? では価格に忠実に反映されれば、間違いないですよね? つまり、リアルタイムの価格チャートを見ていれば、良いということです。

IMMのポジションの公開は1週間に1回だけで、4日前のものが分かります。確かに古いデータでしかないのですが、そのトレンドが見えれば、直近のポジションの参考になります。

シカゴIMM

インターバンク・ディーラーは実需、投資家、投機家の動向を真っ先に知りたいために、目先の損得を捨ててでも、顧客との取引を拡大しようとします。しかし、そのことで市場全体のポジションの偏りを知ることはできません。あくまで、参考にしかすぎません。

それらを参考にしか過ぎないと考える人は、顧客ビジネスはいらない。IMMのデータは古いと捨てています。参考になるから活かそうとする人は、顧客ビジネスを大事にし、多くのデータを集めます。そういった姿勢の違いだと思います。

収益を上げるために究極的に不可欠なのは、売買のタイミングです。その精度を高めるために、多くのものを参考にします。そういったものがなくても、値動きだけを見て、谷越え確認、山越え確認などの転換点の見極めができれば、それでもいいのです。

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矢口 新

矢口 新

大学卒業後、国内外の大手証券会社にて為替、債券のディーラー、機関投資家セールスを勤めた後、株式会社ディーラーズ・ウェブを創業(2002年5月~2013年5月)。2013年4月まで同社代表取締役社長。