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ドル高調整中

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先週金曜日の概況

先週末に発表となった米国の10月雇用統計は非農業部門雇用者数変化が市場予想を下回り、賃金の上昇率が伸び悩む結果となったことからドル売りが強まる動きとなりました。ただし、失業率は労働参加率の上昇を伴う低下、前月分の非農業部門雇用者数変化は上方修正されるなど米国の労働市場は回復へ向かっていることは確かであり、悲観する内容ではないと考えられます。今回のドル売りはこれまで短期的にドル買いが溜まりすぎていたこと、市場の雇用統計への期待が公表されている以上に高まっていたことなどもあり、調整売りのきっかけとなってしまったと考えられます。

今回公表された失業率5.8%はFEDが9月時点で予想した水準の中心値を下回る水準となっていることから、来月以降もこの水準をキープできるのであれば早期利上げに関して強いサポート材料となると考えられます。日欧とFRBの金融政策のスタンスの差は引き続き明確な状況であることに変化はなく、ドル高地合いは引き続き続くと考えられます。

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上昇の続いたドル円は雇用統計後、失速となりました。本日はまず、先週の木曜日の利食い売りが強まり急落した際のサポートとなった114.00付近を守れるかどうかに注目したいところです。割り込んだところではストップ売りを巻き込み短期的に下落が加速する可能性があるため注意が必要です。ただし、大きい流れでのドル高基調は続くと予想されることから今週は押し目を探しに行く週となりそうです。

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ユーロドルはドラギ総裁の会見で急落となりましたが、米国雇用統計を受け下落分を取り戻しつつある状態となっています。本日は雇用統計の余波を見極める1日となりそうです。米欧の景況感、金融政策のスタンスの差は明確であることから、引き続き頭の重い推移となることが予想されますが、投機筋のショートポジションも欧州債務危機のピーク時に近い水準まで溜まっているため、なんらかのきっかけで買いが強まるような場面ではショートスクイーズにより短期的に強い上昇となる可能性もあるため警戒したいところです。

本日は、まず節目の1.25、ECB理事会前の高値である1.253付近を回復できるかどうか、雇用統計後の安値である1.2355を守れるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

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ユーロ円はドル中心の動きから方向感のない推移となり142円台での推移が続いています。本日は142.20-143.00のレンジのどちらに抜けてくるかで方向感を探っていきたいところですが、引き続きドル中心の動きとなることが予想されることから方向感が出にくい状況は続くと予想されます。

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ポンドドルは1.5875-1.622のレンジを下抜けたものの、雇用統計を受けて反発となりました。金曜日の終値ベースではレンジの下限付近となっていることから、今後の動きに注目したいところです。再び下値を探る動きとなった場合は1.56割れも視野に入れた下落の可能性が高まります。

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豪ドルは0.864-0.89のレンジを下抜けたものの冴えない米雇用統計、中国の経済指標で強めなものが出たことなどから反発が強まっています。日足ベースでは安値更新後高値を更新するというトレンド転換のサインとも読み取れる足が出現となっており、レンジ下抜けがダマシに終わる可能性も出てきたことから、しっかりと先週の安値を割り込むことができるかどうかに注目したいところです。

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【本日の注目材料】

本日はイベントは少なく先週末の米国雇用統計の余波を見極める1日となりそうです。ドル高への調整がどの程度進むのかを中心に相場を見ていきたいところです。また、債券市場、株式市場の動向にも引き続き注意したいところです。また、米国時間にはFRBが公表する新指標である労働市場の状況を示すLMCIの発表が予定されています。先週末発表された雇用統計の内容に準ずる内容となると考えられますが、新しい経済指標だけに市場の反応がどの程度出てくるかには注目したいところです。

【本日の予定】

09:30 豪9月住宅ローン貸出
10:30 中国10月消費者物価指数
10:30 中国10月生産者物価指数
15:45 カーニーBOE総裁講演
22:15 加10月住宅着工件数
翌0:00 米10月労働市場情勢指数(LMCI)
翌3:00 米3年債入札(260億ドル)
翌3:00 メルシュECB理事講演
翌7:10 ローゼングレン米ボストン連銀総裁(投票権なし)講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト