ドル大崩れ、米金利、株式市場に注目集まる

【著者】

昨晩の概況

昨日は米国経済指標の発表をきっかけにドルが大崩れとなりました。発表された米国小売売上は市場予想を裏切り前月比マイナスとなり、NY連銀製造業景況指数、生産者物価指数も弱い結果が並んだことから、それまで低水準での推移が続いていた米国債利回りがさらに低下となり、10年債利回りは2%を割るところまで低下、欧州時間以降弱い推移が続いていた株式市場も大打撃を受ける動きとなりました。
米国債利回りに関してはバーナンキFRB議長のテーパリング宣言前の水準まで低下したということもあり、市場はドルの叩き売り状態となり、ドル円は一時105円前半、ユーロドルは1.29に迫るところまで反発となりました。それまで売りが強く入っていた対ユーロ、対NZD、更には対円でのインパクトは強くドルに対して大きく上昇する動きとなっています。パニック状態は収まっているものの、依然としてドルの弱さが残る状態が続いています。

【主要通貨ペアの推移】

ドル円は大崩れとなり、ストップ売りを絡め一時105.19まで下値を広げる動きとなりその後は106円台へ押し戻すも上値は重く106円を挟んだ攻防を続けています。現在は落ち着きを取り戻しているものの、米国債利回り、株価動向次第では再度上下に揺さぶられる可能性も残っています。現在は嵐の後であることから、どこまで戻しが入るかに注目したいところです。また、昨日のNY午後の安値である105.60、昨日の安値である105.20付近を割り込んだところでは売りが加速する可能性もあるため注意したいところです。

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ユーロドルは大きく反発。レジスタンスとなっていた1.28を突破し強いショートスクイーズ状態となり1.29に迫る上昇となりました。現在は落ち着いているものの、引き続きドル売り地合いは強い状態が続いています。本日はまず大きく反発、下落後のレジスタンスとなった1.2845を上抜けることができるかどうかに注目したいところです。下は1.28台を維持できるかどうかに注目したいところです。昨日よりは落ち着きを取り戻しているもののドル売り材料に押し上げられての上昇であり、積極的にユーロを買う材料があるわけではない状態であることから、神経質な動きがしばらくは続く可能性が高いと思われます。

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ユーロ円はドル中心の動きでシーソーゲームを続けたものの対ドルで円よりもユーロの方が売られていたことからのユーロの大きな反発に支えられ底堅い推移をみせています。本日もドル中心の相場展開が続くことが予想されることからドル円、ユーロドルの綱引きであることから、引き続き方向感の薄い推移が続くことが予想されます。

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ポンドドルは上下に大暴れ。米小売売上発表後は1.607付近まで上昇となりましたが、その後1.5875付近まで下落、再び1.6付近まで上昇となり現在に至っています。方向感の掴みにくい状況は本日も続くと考えられ、1.5875-1.61の広いレンジをどちらに抜けてくるかを見極めたいところです。

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豪ドルもポンドに近い推移となり0.872-0.886のレンジで上下に揺れる展開となり、現在は0.88付近での推移となっています。本日はまず、オセアニア時間のサポートとなった0.878を守れるかどうか、上はNY午後のレジスタンスである0.884のどちらに抜けてくるかに注目したいところです。

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【本日の注目材料】

本日はアジア時間は大きなイベントがないことから、株価動向、米金利動向をうかがいながらの展開となると予想されます。欧州時間以降は米新規失業保険申請に加え昨日のNY連銀製造業景況指数で暗い雰囲気が強まっている鉱工業生産の発表が予定されています。昨日に続き弱い経済指標が続くと再び株価、米金利に打撃を与える可能性があるため注意が必要です。

また、株価、金利動向に注目が集まり忘れられがちですが、FRB要人のコメント機会も予定されており、利上げ観測に関してネガティブなコメントに強く反応する可能性もあるため注意が必要です。

【本日の予定】

16:15 クーン・ベルギー中銀総裁講演
16:30 デベルRBA総裁補佐講演
18:00 ユーロ圏8月貿易収支
18:00 ユーロ圏9月消費者物価指数(HICP)(確報値)
20:30 ゴールドマン・サックス決算発表
21:00 プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁(投票権あり)講演
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 加8月国際証券取引高
21:30 加8月製造業出荷
22:00 ロックハート米アトランタ連銀総裁(投票権なし)講演
22:00 ビスコ伊中銀総裁講演
22:15 米9月鉱工業生産・設備稼働率
23:00 コチャラコタ米ミネアポリス連銀総裁(投票権あり)講演
23:00 米10月フィラデルフィア連銀製造業指数
23:00 米10月NAHB住宅市場指数
翌0:00 米週間原油在庫
翌2:00 ブラード米セントルイス連銀総裁(投票権なし)講演
翌5:00 米8月対米証券投資

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト