マーケット

ドル高全開!

【著者】

外国為替マーケット情報|2014/08/25

先週末は注目のジャクソンホールのシンポジウムが行われ、主要国の中央銀行メンバーのコメント機会が続きました。市場の注目はやはりイエレンFRB議長、ドラギECB総裁の講演に集まりドル、ユーロが上下に大きく揺さぶられる展開となりました。
イエレン議長の講演内容は目新しい内容ではなく、労働市場のスラックが依然として残っている可能性も考慮しているものの、今後のデータ次第では利上げ時期の前倒しも示唆するなどFOMCの内容とそれほど乖離するものとはなりませんでした。市場ではハト派色の強いものとなる可能性も指摘されていたなか、結果はタカ派的とは言えないもののハト派色の強いものともならず、結局、講演後はドル買いが強まる展開となっています。
ドラギ総裁の講演では低インフレが物価上昇期待を圧迫するのを避けるために必要であれば追加緩和を行う用意があるとの考えを示し、また緩和が足らず労働市場にダメージを与えるリスクは過剰な緩和で賃金、物価上昇率を上昇させるリスクを上回るとコメントし、引き続き強い緩和を継続する意気込みをみせました。ユーロは講演中に上下動する動きも見せましたが週末ということもあり終わってみれば小さな動きに留まっています。

日銀の黒田総裁は経済見通しの変更の必要は無く、現在の金融緩和で十分との認識を示し、市場の一部でささやかれている年内の追加緩和を臭わすようなコメントは見せませんでした。
市場全体ではイエレン議長講演前からドル高が続く状態となりドル円は本日104円台、ユーロドルは一時1.32を割り込むところまで押し込まれての推移となっています。
他市場では、米国株式市場は上値の重い推移が目立ち、米国10年債利回りは底を固め2.4%をキープとなっています。

スクリーンショット-2014-08-25-9.30.26

【主要通貨ペアの推移】

ドル円はイエレン議長の講演を受けて104.00を挟み上下に揺さぶられる展開となりました。その後は本日早朝に強まったドル買いに乗じて104円台をしっかりと維持しています。4月序盤のレジスタンスとなった104.13付近を上回ってきたことから節目の105.00、また年初来高値である105.44が次のターゲットとして意識されると思われます。ただし、短期的には買いポジションが溜まっていると考えられることから、調整が入りやすい地合ともいえることには注意が必要です。まずはしっかりと104円台を守れるかどうかに注目したいところです。

スクリーンショット-2014-08-25-9.20.12

ユーロドルは1.33をレジスタンスに下値を切り下げ本日早朝には1.32を割り込むところまで下落しています。現在1.32台はかろうじて回復しているものの不安定な推移が続いています。本日はこの1.32を回復できるかどうかにまずは注目したいところです。1.32台を維持出来なかった場合、次にサポートの候補となるは昨年9月のサポートとなった1.31で割り込むと1.28台も視野に入れた下落余地が生まれます。

スクリーンショット-2014-08-25-9.24.02

ユーロ円は138円をレジスタンスとして伸び悩む推移となっています。ドル中心の相場が続いていることから方向感の薄い推移が続いています。現在のコアレンジである136.30−138.00のどちら側に抜けるかをまずは見極めたいところです。

スクリーンショット-2014-08-25-9.21.27

ポンドドルは上値の重い状態が続き1.66を奪還することはできず、現在は4月4日のサポートである1.655付近での推移となっています。このところ下落が目立つポンドですが、日足チャートのRSIは20台前半での推移となっており、売られ過ぎゾーンでの推移が続いていることから、反発にそろそろ注意したいところです。

スクリーンショット-2014-08-25-9.25.46

豪ドルは方向感の無い推移が続いています。コアレンジは0.923−0.934付近での推移が続いていることからどちらに抜けていくかに注目したいところです。また下方向へ抜け更に強力なサポートとなっていた0.92を割り込むような推移となると大崩れの可能性も浮上するため注目したいところです。

スクリーンショット-2014-08-25-9.26.07

【本日の注目材料】

本日は欧州時間にドイツのIFO景況指数の発表が予定されています。ウクライナにて緊迫状態が続いていることもあり市場の予想は前回よりも低下となっていること、市場のポジションがユーロ売りに傾いていることなどを踏まえると強い結果となった方がインパクトは大きくなることが予想されます。その後は英国が祝日ということもあり欧州時間は比較的スローな動きとなることが予想されますが、流動性が薄い分、値動きが荒くなる可能性もあるため注意が必要です
米国時間には新築住宅販売件数の発表が予定されています。先週の住宅着工件数、中古住宅販売件数に続き好結果となると住宅市場の回復の鈍化への懸念が後退しドルの強い支援材料となることが予想されます。
また、引き続きウクライナをはじめとする地政学リスクにも引き続き警戒が必要です。

【本日の予定】

17:00 独IFO景況指数
23:00 米7月新築住宅販売件数

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
デモトレ大会6回戦

佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト