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イエレン議長の講演でドル売り強まる

【著者】

昨日からの流れ

昨日は米国時間に行われたイエレン議長の講演に注目が集まりました。
内容は前回のFOMC後の会見から大きな変化はなく、利上げに慎重な姿勢を見せるハト派的なものとなりました。先週、FOMCメンバーからタカ派的なコメント多く、イエレン議長の口からもタカ派的なコメントが聞けるのではとの期待が高まっていたこともあり、為替相場ではドル売りが大きく進む展開となりました。

米国時間に発表された消費者信頼感指数は市場予想を上回る好結果となりましたが、イエレン議長の講演前ということもあり、市場へのインパクトは限定的なものとなっています。

また、昨日はアジア時間終盤に安倍首相から、報道されていた消費税増税延期、衆議院再選挙に関しては否定的なコメントが報じられたこともドル円の上値を多少圧迫する材料となっていたかもしれません。5月に発表されるGDPの速報値などの結果を踏まえて最終判断を行うことが想定されるため、今後はGDPや今週発表される日銀の短観などの結果への注目度が少し高まるかもしれません。

主要通貨ペアの推移(2016/3/30)

USDJPY

底堅い推移が続いていたドル円ですが、イエレン議長の講演後に大きく下落する動きとなり、短期的な上昇トレンドラインを割り込む動きとなりました。そのため、本日も上値の重い推移となる可能性が高まっていると考えられます。ただし、短期的に急な下落となったため、アジア時間等、短期的な反発にも注意したいところです。

ドル円

EURUSD

ユーロドルもイエレン議長の講演後に底堅い動きとなり、1.13台を試す動きとなっています。現状では1.13を少し上抜けたところで押し戻される動きとなっていますが、しっかりと突破できるかどうかに注目が集まります。
ドル円同様に急な上昇となっているため、アジア時間、または欧州時間等の反動の動きにも注意したいところです。日足チャートでは1.14付近がレジスタンスとなっているため、上抜けると上昇にさらに勢いがつきそうな形となっているため、接近した際には注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円は底堅い動きが続き、127円台に乗せる動きとなっています。
日足チャートを見ると3月11日のレジスタンスとなった127.30付近での攻防となっており、この水準をしっかりと上抜けると130円台も視野に入れた上昇基調が強まりそうな状態となっています。
本日はしっかりと127円台を守れるかどうか、昨日のレジスタンスとなった127.45付近をしっかりと突破できるかどうかに注目したいところです。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルもドル売りに押し上げられ、1.440に迫る動きとなっています。
日足チャートを見ると引き直した下降トレンドラインに接近する動きとなっており、突破するとさらに勢い付きそうな状態となっています。

本日は1.443付近がこのトレンドラインと交わる地点と考えられ、その水準を超えられるかどうか、さらには直近のレジスタンスとなった1.450付近をしっかりと突破できるかどうかに注目が集まります。ただし、短期的に強い上昇となったため、本日は反動の動きにも警戒が必要です。

ポンドドル

AUDUSD

下げ渋る動きが続いていた豪ドルも、イエレン議長の講演後に上昇を強める動きとなり、0.76台に乗せる動きとなっています。昨日は先週のレジスタンスともなっている0.765付近がレジスタンスとなり、上昇を抑える動きとなっており、この水準を本日は突破できるかどうか、さらには3月18日の高値である0.768付近を突破できるかどうかに注目したいところです。
ただし、本日は昨日大きな上昇となっているため、利益確定の売りにも注意が必要です。また、ファンダメンタルズ材料では原油価格の上値が重くなり始めており、資源価格の上値も圧迫されそうな状態となっており、豪ドルの上値を圧迫しそうな状態となっています。

豪ドル

本日の注目材料

本日は米国時間に雇用統計の前哨戦となるADP雇用統計や原油在庫の発表が予定されています。ADP雇用統計は前回からの反動減に注意したいところです。市場は雇用は底堅いと考えているため、ポジティブサプライズとならない限り、ドル買いは限定的になることが想定される反面で、冴えない結果となってしまった場合のショックは大きくなる可能性があります。

また、週間の原油在庫の増減にも注目が集まります。先週末から、原油価格の反発に一服感が出始めている状態が続いているなか、在庫が増加しているようであれば、供給過剰懸念が強まり、下値を探る動きが強まり、市場のリスク回避色が強まる可能性が挙げられます。

本日の予定

08:50 日2月鉱工業生産(速報値)
18:00 ユーロ圏3月消費者信頼感(確報値)
20:00 米MBA住宅ローン申請指数 
21:00 独3月消費者物価指数(速報値)
21:15 米3月ADP全国雇用者数 
23:30 米週間原油在庫 
翌2:00 米7年債入札(280億ドル)
翌2:00 エバンス米シカゴ連銀総裁(投票権なし)講演
翌3:35 パターソンBOC副総裁講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト