ドル高基調続く。

昨日は注目が集まったイエレン議長の議会証言では目新しい材料はなかったものの、年内利上げの可能性が再確認されたことを受けてドル買いが進む展開となりました。冴えない小売売上を受けてややハト派になっていたことやNY連銀製造業景況指数や生産者物価指数、鉱工業生産が強い結果となったこともドル買いを強める要因となりました。

また、ギリシャでは改革案が議会を通過し、支援に一歩近づいています。今後はECBの緊急流動性支援がどうなるのか、つなぎ融資はどうなるのか、ドイツその他の議会は通過できるのかどうかに移りますが、最大の危機はすでに通過しているため、市場では楽観的な見方が広がり、注目が米国が利上げできるかどうかに移り始めているように感じられます。そのため、「支援できない」というような事態につながる報道が出ない限り、相場への影響は限定的になると考えられます。

米国株式市場

主要通貨ペアの推移

ドル円は堅調な米国経済指標、イエレン議長による年内利上げの可能性が再確認されると底堅い推移となりました。ただし124円に迫るところでは上値は重く伸び悩む動きとなっています。本日はNY時間のサポートである123.65124.00のレンジをどちらに抜けるかに注目したいところです。時間足チャートでは123.65をネックラインとしたダブルトップのような形となっているため割り込むと短期的に売りが出やすい状況と考えられます。

usd jpy

ユーロドルは欧州時間に若干底堅さを見せるものの上値の重い推移が続き1.09台前半まで押し込まれる推移となっています。4月13日と7月7日の安値を結んだトレンドラインを割り込むような動きとなっており、下落圧力が強まりそうな形となっています。節目の1.09を割り込み5月27日の安値である1.0819付近を割り込むと大崩れとなる可能性もあるため警戒が必要です。

eur usd

ユーロ円は欧州時間序盤に底堅い動きとなったものの前日の高値である136.40付近で失速となり下値を探る動きが活発化し、135円台前半まで押し込まれる動きとなっています。先ほど今週の安値を割り込むような動きとなっているため、本日も上値の重い動きとなることが予想されます。本日は先週レジスタンスとして活躍した節目の135.00付近を守れるかどうかに注目したいところです。

eur jpy

ポンドドルは欧州時間に冴えない英国雇用統計の結果を受けて下値を探る動きとなりましたが、その後はNY時間に1.5577付近をサポートに持ち直す動きとなり再び1.56台を回復する動きとなりました。底堅さは残るものの直近で買いが溜まっていることもあり、もう一段の調整の可能性も考えられ、上下双方向への意識が必要と考えられます。まずは昨日のサポートとなった1.5577付近とレジスタンスとなった1.5675のどちらに抜けるかで方向感を探っていきたいところです。

gbp usd

豪ドルはアジア時間に中国のGDPが強い結果となったこともあり、前日の高値を超える動きとなったものの、米国時間に入ると、底堅い米国経済指標、イエレン議長から、改めて年内利上げの可能性が示唆されたことなどから下値を探る動きが活発化し、0.74を割り込む動きとなりました。前日の陽線をすっぽりと覆うような陰線となっているため、本日も上値の重さが目立つ1日となりそうです。昨日のNY時間の安値である0.7354付近を守れるかどうかにまずは注目したいところです。

aud usd

本日の注目材料

本日はECB理事会、ドラギ総裁の記者会見、カーニー総裁の講演、イエレン議長の議会証言といった中銀総裁のコメント機会に加え、新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀製造業景況指数等の経済指標の発表が予定されています。

ECB理事会では政策変更なしの可能性が高いと考えられ、市場の注目はドラギ総裁の記者会見に集まります。ギリシャに対しての緊急流動性支援の継続に関してやギリシャ国債の扱いに関してのコメントに注目があつまります。カーニー総裁の講演では先日の議会証言で利上げ時期が近いとのコメントが意識されポンドが急騰しているため、それをリピートするようであればポンドの下支え材料となることが予想されます。イエレン議長の議会証言は昨日のものと大きな変わりはないと考えられるため市場の反応は限定的と考えられますが、一応の警戒は必要です。

本日の予定

07:30 NZ6月企業景況感
07:45 NZ46月期消費者物価指数
08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
12:45 日5年債入札(2兆5000億円)
14:00 7月日銀金融経済月報公表
18:00 ユーロ圏6月消費者物価指数(HICP
18:00 ユーロ圏5月貿易収支
20:30 ゴールドマン・サックス46月期決算発表
20:45 欧州中央銀行(ECB)理事会、政策金利発表
21:00 シティグループ46月期決算発表
21:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁記者会見
21:30 米新規失業保険申請件数
21:30 加5月国際証券取引高
23:00 米7月フィラデルフィア連銀製造業指数
23:00 米7月NAHB住宅市場指数 
翌3:00 カーニーBOE総裁講演
翌3:30 イエレンFRB議長議会証言
翌5:00 米5月対米証券投資

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト