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ドル軟調

【著者】

昨日からの流れ

昨日の為替相場は一言で言えばドルの軟調さが目立ちました。欧州時間などにECBの追加緩和が意識され、ユーロが売られる場面も見られましたが、終わってみれば1.1台を回復する動きとなっています。米国時間に発表された労働市場情勢指数の結果が前回分の下方修正も含め市場予想を下回る内容となったことも米国の追加利上げ観測を後退させ、ドルの上値を圧迫する材料の一つとなりました。

原油も底堅い推移が続き、カナダドルや豪ドルといった資源国通貨が底堅い動きとなっています。新興国通貨でも資源価格の底堅い動きに併せ南アフリカランドなどの資源輸出に依存する国の通貨は底堅い動きとなっています。
また、中国の2月の外貨準備高286億ドル減少となり、4か月連続の減少となり、介入の限界が意識され、人民元の上値を圧迫しましたが、市場のドル売り圧力に押し戻されるような動きとなり、行ってこいの動きとなりました。

主要通貨ペアの推移(2016/3/8)

USDJPY

ドル円は方向感の薄い中、上値の重い推移となり113円台前半での推移となっています。引き続き、111.00-115.00のレンジ内での推移が続き、抜け出すまでは方向感の読み難い状態が続くことが想定されますが、上値の重さが気になる状態となっています。

現在、2月24日からの安値を結んだラインにサポートされるような状態となっていますが、このラインを割り込んでくるようであれば、レンジ内でもう一段下値を探る動きが強まるかもしれません。逆にこのラインにサポートされ、115.00付近を上抜けるような動きとなる上昇が勢い付くというシナリオも考えられます。いずれにせよ111.00-115.00を抜け出すまでは方向感が読み難いと思います。

ドル円

EURUSD

ユーロドルは欧州時間序盤に売り込まれる動きとなったものの、その後はドル売りに押し上げられるように上昇に転じ、1.1台を回復する動きとなっています。昨年12月や先月終盤に1.106付近で上値が詰まる状態が続いていることもあり、この水準をしっかりと突破できるかどうかに今後は注目したいところです。今週はECB理事会での追加緩和発表が濃厚な状態ということで神経質な状態となることが想定され、難しい動きが続きそうな気配がしています。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円は上下に揺れる方向感の薄い推移が続いています。日足チャートでは小さなダブルボトムを形成し、ネックラインを上抜けるような動きとなりもう一段の上昇の可能性も考えられますが、サポートとして活躍していた126.00がレジスタンス候補として、上に控えるような状態となり、この付近で反発が一服しそうな気配もしています。そのため、節目となりそうな126.00を突破できるかどうかで、まずは方向感を探っていきたいところです。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは反発基調が続き、昨年12月からの高値を結んだトレンドラインに接近するところまで上昇となり、この付近で上値が詰まる可能性にも注意したいところです。このトレンドラインを上抜けると1.45付近も視野に入れた上昇基調が続くというシナリオも浮上してきます。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは底堅い動きが続き、心理的節目となりそうな0.75に迫るところまで上昇となりました。心理的節目となる0.75をしっかりと上抜けると週足チャートなどで見ると0.8付近も視野に入れた大きな上昇の序章となる可能性も浮上します。また、0.75を上抜けたところにはストップ買いが溜まっている可能性が高く短期的に上昇が勢い付く可能性があるため、接近した際には注意が必要です。

豪ドル

本日の注目材料

本日はアジア時間早朝に本邦のGDPの2次速報値、貿易収支の発表が予定されています。今月、または来月の展望レポートに併せて日銀の追加緩和への期待が高まっており、GDPが下方修正となるようであれば、緩和期待からの円売りを誘発する可能性が挙げられます。
その後は中国の貿易収支の発表が予定されており、冴えない結果となると中国景気減速が意識され、リスク回避色が強まるというシナリオが考えられる反面で、市場の注目は現在開催されている全人代に向かっていると考えると影響は限定的なものにとどまる可能性も挙げられます。

欧州時間はドイツの鉱工業生産が予定されているほか、カーニーBOE総裁のコメント機会などが予定されています。ドイツの鉱工業生産が下振れるようであれば、ECBの追加緩和への期待が多少強まるかもしれません。

米国時間は目だったイベントは予定されておらず、株式市場や商品市場の動向を探りながらの1日となりそうです。
原油をはじめとする商品市場が堅調地合いを維持することができれば、資源国通貨も底堅い推移が続くことが想定されますが、買い戻しが一段落し、下落が強まるような展開となると早い動きとなる可能性もあるため、注意が必要です。

本日の予定

中国2月貿易収支
08:20 ロウRBA副総裁講演
08:50 日1月国際収支
08:50 日1012月期GDP(2次速報値)
09:30 豪2月NAB企業景況感
12:45 日30年国債入札
14:00 日2月景気ウォッチャー調査
16:00 独1月鉱工業生産 
17:00 リンデ・スペイン中銀総裁講演
18:15 カーニーBOE総裁、カンリフBOE副総裁講演
19:00 ユーロ圏1012月期GDP(改定値)
22:15 加2月住宅着工件数・住宅建設許可件数 
翌3:00 米3年債入札

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト