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ドル/円は年末にかけて「掉尾の一振」も? ただし、“黒田ライン”には要注意!

【著者】

原油価格の約7年ぶり安値もあり、資源国通貨・南アフリカランドが大幅安に

先週末4日にウィーンで行われたOPEC(石油輸出国機構)会合において、一部で期待感の高まっていた減産合意が物別れとなり、原油相場は底抜けをしたような状況に。

減産合意が物別れとなったのは、非OPEC諸国との足並みが揃わなかったこと、また今後イランおよびイラク産原油が市場に大量供給される見通しであること、さらにはサウジアラビアを盟主とするOPEC側による「米シェール業界潰し」を目的とする“原油安チキンレース”が本格化していることがその背景。(=“肉を切らせて骨を断つ”)

これら影響もあり、WTI原油・北海ブレント原油ともに約7年ぶりの安値水準まで下落。
昨日の海外時間終盤(東京時間本日未明)には、資源価格との相関性の高い、いわゆる「資源国通貨」である南アフリカランドがその余波をもろに受け、対円では2008年10月以来の、また対ドルでは史上最安値を更新するほどの大幅安に。

原油の供給過剰は今後2~3年継続するとの見方もある中、主要格付機関が南アフリカについての見通しを「安定的」から「ネガティブ」に下方修正し、南アフリカ国債はいわゆるジャンク債に転落する可能性も。テクニカルチャートを確認しても、南アフリカランド/円の日足・週足・月足チャートともに『下落基調』を示唆しており、当面の同通貨は“触らぬ神に祟りなし”といったところでしょうか。

ドル/円は年末にかけて上値トライの方向性?

そんな中、いよいよ来週に迫るFOMC。市場のコンセンサスでは利上げについては“決着事項”となっており、次なる視線の先は「(利上げ)ペース」に。

次週FOMC会合(15-16日)後は一時的に「知ったら仕舞い」のフローになる可能性もあるものの、日米欧中央銀行の金融政策スタンスのダイバージェンスもあり、概ねドル買い・ユーロ売り・円売りフローに大きな変更点はないとの見通し。そこで気になるのが・・・ドル/円の今月における方向性上値・下値メド

今年1月以来のドル/円と相関性の高い日経平均(相関係数.726)ですが、その日経平均は過去12年連続感謝祭(11月第4木曜日)から年末(大納会)まで上昇しているという実績が。今回高ければ13年連続となりますが、例年この時期の株式市場は活況であることが多く、特に12月後半からは「ドレッシング(お化粧)買い」「サンタクロースラリー」「掉尾の一振(とうびのいっしん)」といった季節的アノマリーも。(同時期におけるNYダウ平均の成績は9勝3敗、勝率.750)

株式市場のアノマリーに従えば、大納会(12/30)に向けてドル/円も上値トライすると仮定することも可能。一方で、ドル/円の過去10年における12月高低差平均は凡そ5円。(正確には5.01円)
12月始値が123円(同123.07円)ということから今月一ヶ月の高低差を予想すると・・・120.50~125.50円に。奇しくも上値メド予想が、いわゆる“黒田ライン”(=125円台)付近というのは偶然なのか、それとも必然なのか・・・。12月のドル/円相場の“コアレンジ”として参考にしていただければ幸いです。

ドル円12月高低差

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津田 隆光|マネースクウェア・ジャパン

津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。