ドル円100円割れ目前!100円割れは買いか売りか
6月24日、英国のEU離脱の是非を問う国民投票で、離脱派の勝利が決まりました。
その瞬間、ポンドをはじめとするあらゆる金融商品が下落。
ドル円は2013年11月以来となる2年半ぶりの100円割れとなりました。
しかし、100円以下の滞在時間は僅か1分程度。
その後は102円台まで3円も急騰し、再度100円割れを試すも今度は100円を割れた瞬間に買いが殺到することとなりました。
兼ねてから言われていたように、ドル円100円以下では為替介入の可能性が高まることから、ドル円は買いなのでしょうか?
難しい相場状況が続いていますが、複数の材料から答えを探ってみたいと思います。
想定外の英国のEU離脱
まず最初に、今回の英国のEU離脱派の勝利は想定外でした。
(参考:英国のEUの離脱に関する投票についてざっくり説明)
事前の世論調査では5ポイントほど残留派が優勢となっており、当日も一時離脱派が優勢となったものの残留派が盛り返し、後半の開票では残留派が多い為このまま逃げ切りとなると考えられていました。
その為、ポンド円が1日に30円近く(20%)も大暴落することとなったのです。
しかし、それにしては株価の下落は10%ほどと乖離が激しくなっています。
開票時間のアジア市場で一番狙われた日経平均ですら7%安ほどで終わっています。
(サーキットブレーカー発動の為、これ以上の下落は無いとも考えられますが。。)
欧州市場は英国よりも、フランス、ドイツの株価の下落が目立ちました。
その後、英国の中央銀行であるBOEのカーニー総裁が金融緩和を示唆したことから英国株は上昇し、ポンドは下落する展開となっています。
■英ETSE日足チャート
(出所:Yahoo!ファイナンス)
ポンドが下落すると、ポンド円が売られるので、必然的にドル円が下落し、日経平均が下落することになり、日本株にはあまり良い影響がなさそう。
そうなると、再びドル円は100円割れを試すこととなりそうです。
事実、投票から10日経った現在、ドル円は下落し始め日経平均も連れ安。
ポンド円はついに120円台に突入しています。
外銀のレポートによると、123円などの予想も出てきているようで、ポンドはまだまだ下値余地はありそうですね。
過去の円売り介入水準
では、ここで過去の為替介入の水準を見てみましょう。
時期 | 水準 | 結果 | 財務大臣 |
---|---|---|---|
2010年9月15日 | 82円後半 | 85円まで3円円安 | 野田佳彦 |
2011年3月18日 | 76円後半 | 86円まで9円の円安 | 野田佳彦(G7協調介入) |
2011年8月5日 | 76円前半 | 80円まで4円の円安 | 野田佳彦 |
2011年10月31日 | 75円半ば | 79円まで4円の円安 | 安住淳 |
ここ最近の為替介入を行ったレートを見てみると、85円以下となっています。
つまり、ドル円が史上最安値付近にあるときということですね。
しかし、今はまだ100円前後。
2016年の企業業績からは大きく乖離してしまいますが、日本経済にとてつもない打撃を受けるということではありません。
ルー財務長官も「市場にはある種の秩序がある 単独での介入は安定を損なう」と発言していますので、100円割れで為替介入があるかというと、その可能性は低そうです。
しかし、日本当局の動きを見ていると、麻生財務大臣をはじめとする要人の発言も目立ってきており、介入警戒感が高まることは必須。
2010年以降の為替介入を経験した私の個人的な意見をの書かせてもらいますと、短期では100円割れで買って介入への思惑の急騰待ち。
中期では、100割れで急騰したところ(101円半ばくらいか)を売るというのが望ましい売買戦略ではないでしょうか。
【参考】為替介入についての考察


児山将
みんなの外為で記事を書いています。 大学生の時からFXを初めて6年以上。FXの楽しさを伝える為に、みんなの外為を盛り上げていきます。初心者の方でも分かり易く学べるように、難しい専門用語やマーケットの説明、FX業界について記事にしていきます。 みんためのTwitterでもつぶやき中!