マーケット

ドラギバズーカ暴発

【著者】

昨日からの流れ

昨日は欧州時間に行われたECB理事会、ドラギ総裁の会見を受けてユーロが上下に大きく振れる展開となりました。ECB理事会では主要政策金利の3つ全ての利下げ、月間の資産購入額の200億ユーロの増額など、市場予想を上回る緩和となったことで、ユーロ売りが進みましたが、ドラギ総裁の記者会見にて現時点での追加緩和に否定的な見解を示したことを受けてユーロが反発する動きとなり、発表前の水準を大きく上回るところまで上昇する動きとなりました。また、ユーロドルの上昇の反動でドル売りが強まり、その他通貨は対ドルで上昇する動きとなりました。

事前にユーロ売りはそれほど強まっていませんでしたが、材料出尽くし状態、今後の追加緩和の可能性も薄いということになり、事前に売りで入った参加者、金融政策発表後に売った参加者が慌てて買戻させられるという事態となり、結局、急騰する動きとなりました。

主要通貨ペアの推移(2016/3/11)

USDJPY

ドル円は欧州時間までは底堅い推移が続き、ECBの政策金利発表後は114円台に乗せる動きとなりましたが、ドラギ総裁の会見で強まったユーロ買いの反動で強まったドル売りの流れに押され、上値の重い推移となり、一時112円台まで押し込まれる動きとなりました。現在は113円台を回復する動きとなっていますが、上値の重さは残る状態が続いています。

日足チャートを見ると逆ヘッドアンドショルダーを形成し始めていたものの、高値を結んだネックライン(黄色点線)の突破に失敗する動きとなりました。今後も111.00115.00付近のレンジ推移が想定され、どちらに抜けるかを確認したいところです。

ドル円

EURUSD

ユーロドルはECB理事会、ドラギ総裁の会見で上下幅400pips近くの大きな変動となりました。政策金利発表後は急落する動きとなり、1.08付近まで下押しするも、その後、ドラギ総裁の会見で追加緩和に否定的なコメントが出ると急反発となり、1.12を超えるところまで反発する動きとなりました。

日足チャートでは長い下ヒゲを残し、底堅い推移となりそうですが、短期的に強い上昇となったため、調整売りにも注意が必要です。
昨日は上下400pipsの上下動となっているため、市場には逃げ場を失ったポジションが多く残っていることが想定されるため、本日は神経質な読み難い動きとなるかもしれません。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円もユーロドル同様にECBの発表、ドラギ総裁の記者会見で上下に大きく振れる展開となりました。前日のレジスタンスとなっていた125.00や以前に強いサポートとして活躍した126.00付近も上抜ける動きとなり127円に迫る動きとなりました。節目を抜けてきたので上昇がさらに強まりそうですが、短期的に大きな上昇となっているため、ここ数日は調整売りに注意が必要です。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは方向感のない推移を続けていましたが、ユーロの動きに併せ上下動となり、一時1.43を超えるところまで上昇する動きとなりました。
日足チャートを見ると直近の数日間の足を抱え込み上抜けるような推移となっており、また、昨年12月からの高値を結んだ下降トレンドラインを上抜けそうな状態となっており、本日踏ん張ることができれば上昇基調が強まりそうな形となっています。ただし、昨日はユーロの上下動に振り回されたようなところがあるため、本日の調整がどの程度になるかに注目が集まります。

ポンドドル

AUDUSD

底堅い動きを続けていた豪ドルですが、昨日は失速となりました。ドラギ総裁の会見を受けて対ユーロでの売りが大きく進んだことに加え、原油価格をはじめとする資源価格が伸び悩んだことで、調整が進む動きとなりました。短期的に強い上昇であったことや2日連続で節目の0.75を上抜けるものの、終値ベースで0.75を突破できなかったことを考えると、調整がもう一段入る可能性は十分に考えられるため、下方向の動きにも警戒が必要です。

豪ドル

本日の注目材料

本日は目立つイベントが予定されておらず、昨日大きく上昇したユーロに調整がどの程度入るのかに注目が集まります。ユーロドルは上下400pips近くの変動となったため、市場には逃げ場を失ったポジションなども多く残っていることが想定され、神経質な動きとなり、方向感が掴みにくい状態になることも予想されます。

また、底堅さを見せていた原油価格にも一服感が出始めており、これが短期的な一服なのか、再度大きく下値を探る動きの序章なのかを見極めたいところです。
また、週末には中国人民銀行総裁の記者会見や鉱工業生産等の経済指標の発表が予定されているため、週を跨いでの人民元や豪ドル等のポジション保有の際は注意が必要です。

08:50 日13月期景況判断BSI
16:00 独2月消費者物価指数(確報値)
18:30 英1月貿易収支 
22:30 米2月輸入物価指数 
22:30 加2月雇用統計

3月12日(土)
11:00 周小川・中国人民銀行総裁記者会見
14:30 中国12月小売売上高
14:30 中国12月鉱工業生産
14:30 中国2月固定資産投資

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト