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新たな「ドラギ・マジック」はあるのか?

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外国為替マーケット情報|2014/05/13

思いもよらない緩和策はあるのか?

先週のECB理事会の後のドラギECB総裁の会見で

「理事会は6月に行動することに違和感はない」

などと述べたことから、ユーロが下落しました。

今後、次回6月5日のECB理事会まで各理事などの発言を見て、一進一退が続くものの、基本的には緩和期待を背景にしたユーロ安の動きが継続する、と考えています。

昨日コンスタンシオECB副総裁は

「(ユーロ高について)もちろん無視できるものではないし、無視してもいないが、(為替レートは)ECBの政策目標ではなく、政策目標にもなり得ない」

としたものの

「為替相場は物価に深刻な影響与えている」
「2012年半ば以降の状況を振り返る必要がある。2012年半ば、欧州のインフレ率は2%を大幅に上回っていたが、現在は1%を下回っており、今後もかなりの期間1%を下回る公算が非常に大きい。この期間中のユーロ高でインフレ率が0.5%ポイント押し下げられた」

などと述べています。

2012年半ばは、スペインの地方政府の債務問題などに焦点が当たって、7月後半に1.20台までユーロ安が進んだ時期です。この時期からのユーロの上昇によってインフレ率が0.5%押し下げられた、と述べたことは、ECBとしてはある程度のユーロ安を望んている、と理解できるかもしれません。

またノボトニー・オーストリア連銀総裁は

「新たな措置が必要と考えている場合、例えば単に利下げを行うだけでなく、複数の措置を組み合わせることが理にかなう可能性」
「金利だけでは大きな変化をもたらす十分力強いシグナルとはならないだろう」

としていて、利下げ以外の非伝統的手法を組み合わせた追加緩和を検討していることを示唆しました。

ECBが今実行可能な追加緩和の選択肢は限られていますが、我々が予想していないような、新たな緩和策を打ち出してくるのかもしれません。

それこそが新たな「ドラギ・マジック」となるのでしょう。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト