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再びドラギ・マジックが現実に?

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外国為替マーケット情報|2014/05/09

しばらくは戻り売り戦略

昨日のECB理事会では、金融政策の据え置きが決定されました。その為ユーロドルは約2年半ぶりの高値となる1.40を窺う水準まで上昇しました。

しかし、その後注目されていたドラギECB総裁の会見を受けて1.38台前半まで急落しました。

ドラギ総裁は「6月初旬に公表されるスタッフ予想の内容を見極めたい」と条件付きながらも「理事会は6月に行動することに違和感はない」と追加緩和を示唆しました。

その他、為替レートに関して「為替レートをめぐる懸念への対応は必要」とも述べており、為替レートは政策目標ではないものの「強いユーロのインフレへの影響は重大な懸念を引き起こす」とはっきり述べています。

長年円高によるデフレに苦しんでいた日本が、物価という意味ではアベノミクスによる円安の効果でデフレ脱却にむけての動きが加速していることからもわかるように、インフレ圧力の低下に対して最も効果が得られやすいのは通貨安です。

日銀はあくまでも円安は結果、という立場ですが、インフレ率の上昇の大きな部分が円安から来ているのはあきらかです。今回ドラギECB総裁は、黒田日銀総裁よりもはっきりとユーロ高の影響に対する懸念を表明していることから、今後はインフレ低下を防ぐ為にユーロ安を志向していることを今まで以上に表明すると予想されます。

ドイツの巨額の経常収支黒字や、ロシア、中国をはじめとする外貨準備としてのユーロの需要がユーロ高を支えている構造に変化はなさそうですが、いざとなれば「何でもやる」というドラギECB総裁への期待もあって、少なくとも6月5日のECB理事会まではユーロドルは戻り売り戦略でいいのではないでしょうか。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト