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日銀は近い将来追加緩和をするのか

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外国為替マーケット情報|2014/05/22

黒田総裁の発言からは緩和の可能性感じられず

昨日の日銀金融政策決定会合では、金融政策の据え置きが決定されました。

市場関係者の間では、引き続き追加緩和が行われるのでは、との思惑(=期待)が根強くあります。前週行われた市場関係者のアンケート調査でも、追加緩和は7月という答えが31%あり、7月から10月までを足すと全体の65%にもなっていました。私は追加緩和なし、と答えたのですが、この答えは全体の24%でした。

昨日の声明と黒田総裁の会見での発言を見ると、これまであった

「(現在の)金融政策運営は、日本経済を、15 年近く続いたデフレから脱却に導くものと考えている」

との文言が削除されたうえで

「量的・質的金融緩和」は所期の効果を発揮しており」

との文言が追加されていて、現在までの進展に自信をうかがわせています。

消費税増税の影響については

「4~6 月期の成長率は、確かに駆け込み需要の反動の影響から、個人消費が落ち込み、全体としてもマイナスになると予想」

しているものの

個人消費の基調的な底堅さは維持されるとみており、駆け込み需要の反動の影響も、夏場以降は減衰していく」
「反動減の大きさは概ね想定の範囲内」

と述べて、特に追加緩和の必要性を感じていないとの見方でした。

追加緩和期待の大きなポイントとなる株価・為替動向については

「トレンドとしては株高の方向が全く変わったとか、そう言うことは感じていません」
「内外の景気、あるいは金融資本市場の動向を考えると、為替が円高になっていかなければならないという理由はあまりないと思います」

などと問題意識がないことを述べたうえ、一部の期待に対しては

「金融政策は、株価や為替にリンクして考えられているものではありません」

と釘を刺しました。

以上の発言を見る限り、7月に追加緩和を行う可能性は非常に低いと考えられます。

昨年4月4日の「異次元緩和」導入時に黒田総裁は「戦力の逐次投入をせずに、現時点で必要な政策を全て講じた」とはっきり述べており、今後も物価動向などに想定外の動きがでないかぎりは追加緩和は行われないと予想しています。

したがって、今後再びドル円安の相場に回帰する時は、米金利の大幅な上昇が始まる時、と考えています。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト