ECB理事会、ドラギ総裁の会見に注目(2015/12/3)

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昨日からの流れ

昨日は欧州時間に発表されたユーロ圏の消費者物価指数が市場予想を下回る結果となり、本日のECB理事会での緩和規模が大きくなることが意識され、ユーロ売りが強まる場面が見られましたが、その後、米国時間終盤にかけて、反発する動きとなっています。

米国時間に発表されたADP雇用統計は市場予想を上回る好結果となり、週末の雇用統計への期待をつないだことに加え、イエレンFRB議長やその他FOMCメンバーからも具体的な期日への言及はなかったものの、利上げの必要性が示されたことで年内の利上げの可能性が高いことが再認識されました。米ドルは米国時間序盤は底堅い動きとなったものの、その後は利上げが意識されたことや米国で発生した銃撃事件などでリスク回避色が強まり、ドル売りの流れが強まっています。

主要通貨ペアの推移(2015/12/3)

USDJPY

ドル円は米国経済指標発表で上昇後、底堅い動きが続き、123円台後半まで上昇する動きとなりましたが、その後は失速となり、123円台前半での推移となっています。日足チャートを見ると長めな上ヒゲを残した状態となっており、上値の重さが確認でき、引き続き、11月序盤から続く122.20付近から123.75付近のレンジ内での推移が続いており、このレンジをどちらに抜けていくかをしっかりと確認したいところです。1ヶ月ほど続いているため、抜け出した方に大きく動く可能性があるため、接近した際は注意が必要です。

ドル円

EURUSD

ユーロドルは欧州時間の消費者物価指数や米国経済指標の結果を受けて下押すものの、底堅さを見せ、1.06台を回復する動きとなっています。10月から売られ続けていることもあり、市場には売りポジションが相当溜まっていることが想定される状況で、底の堅さが出てきているため、本日のECB理事会での失望や材料出尽くしの反発には少し警戒が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円はユーロ圏の消費者物価指数発表後は下値を探る動きとなりましたが、130.30付近が強いサポートとなり底堅さを見せています。一昨日のレジスタンスからサポートに転じているこの130.30は重要なラインと考えられ、本日もこの水準を守れるかどうかを確認したいところです。上値の重さも出始めており、昨日は131.00付近で上値が抑えられているため、本日はこの131.00付近を突破できるかどうかに注目です。この水準では11月23日にも上値を抑えられているため、上抜けると上昇が勢いづくかもしれません。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは冴えない英国建設業PMIをきっかけに下値を探る動きとなると、下落が加速し、節目となっていた1.5を割り込む動きとなり、1.49付近まで下落する動きとなりました。日足チャートではこれまでサポートとなっていた7月の安値と9月の安値を結んだラインに接近する動きとなり、一旦の調整が入りそうな気配がしています。ただし、この水準を割り込むような動きとなると下落圧力がさらに強まるというシナリオもあるため、昨日のサポートとなった1.49を割り込むような動きとなた際は注意が必要です。

ポンドドル

AUDUSD

堅調な推移が続いていた豪ドルは日足チャートで見ると上値が詰まる動きとなっており、短期的な調整が強まりそうな気配が出てきています。本日は11月終盤にレジスタンスとなっていた0.726付近を守れるかどうかに注目したいところです。割り込んだとしても0.72付近までで踏みとどまることができれば、調整の範囲内と考えられ、再上昇というシナリオも考えられます。

豪ドル

本日の注目材料

本日は欧州時間にECB理事会が予定されており、政策金利の発表、ドラギ総裁の会見でユーロを中心に大きく揺さぶられることが想定されます。昨日の冴えない消費者物価指数からも追加緩和自体が行われることは市場の想定の範囲内でマイナス金利がどの程度まで下げられるのか、資産購入の種類、期間の延長はどの程度かなどに注目が集まります。ドラギ総裁の会見ではさらなる利下げ余地への言及があるとユーロの上値を圧迫することが想定されます。

米国時間はISM非製造業景況指数新規失業保険申請件数の発表が予定されているほか、イエレン議長の議会証言やフィッシャーFRB副議長の講演が予定されています。新規失業保険申請件数はECB理事会による値動きに飲み込まれ、存在感は薄くなると考えられ、ISM非製造業景況指数も、大きく市場予想と乖離しない限り、材料にはなりにくいと考えられます。

イエレン議長、フィッシャー副議長のコメントは年内利上げの可能性を否定するような内容になることは想定しにくく、また、利上げペースに関しての言及もなく無難なものとなることが想定されますが、サプライズコメントが出ることも有り得るため、一応の注意が必要です。

本日の予定

08:50 日対外及び対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)
09:30 豪10月貿易収支
10:45 中国11月財新/サービス業PMI
15:30 木内日銀審議委員講演
17:00 トルコ11月消費者物価指数
17:50 仏11月サービス業PMI(確報値)
17:55 独11月サービス業PMI(確報値)
18:00 ユーロ圏11月総合PMI・サービス業PMI(確報値)
18:30 英11月サービス業PMI 
19:00 ユーロ圏10月小売売上高
21:30 米11月チャレンジャー人員削減予定数
21:45 欧州中央銀行(ECB)理事会、政策金利発表
22:30 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、記者会見
22:30 米新規失業保険申請件数
22:40 メスター米クリーブランド連銀総裁(投票権なし)講演
23:45 米11月マークイット総合PMI・サービス業PMI(確報値)
翌0:00 米10月製造業受注指数
翌0:00 米11月ISM非製造業景況指数
翌0:00 イエレンFRB議長議会証言
翌3:10 フィッシャーFRB副議長講演

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト