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ECB追加緩和決定でもユーロ反発

【著者】

今後の日銀にも影響?

昨日のECB理事会では、事前の市場予想以上に積極的な追加緩和が行われました。

3つの政策金利、限界貸出金利、リファイナンス金利、中銀預金金利の全てを引き下げました。このところ注目されている中銀預金金利は予想通り-0.3%から-0.4%への引き下げでしたが、据え置きの予想だった限界貸出金利、リファイナンス金利もそれぞれ0.05%ずつ引き下げました。

資産買入れの月額は、これまでの600億ユーロから一気に800億ユーロに増額され、これに伴って買入れ対象に金融機関以外が発行した社債を含みました。200億ユーロの増額も予想よりも積極的なものでした。

このように追加緩和自体は「ドラギ・マジック」と呼べなくもないものでした。

しかしながら、理事会後の会見が裏目に出てしまいました。

一部で予想されていた中銀預金金利の階層化に対しては「金利を階層構造にすることも協議したが採用しないことを決めた」と近い将来の導入に対しても否定的な回答だった上、真意は測りかねますが「今日の視点からは、われわれは一段の利下げが必要だとは考えていない」「ECBは銀行への打撃となるほどに金利を低くすることはできない」と追加緩和にも否定的な発言が続きました。

昨日の理事会での追加緩和は、内容こそ予想よりも積極的でしたが、会見で打ち止め感が出てしまったことから、為替市場の反応はユーロ買い、という物になってしまいました。

他の要因はありましたが、結果的に1月の日銀によるマイナス金利導入に続き、ECBのマイナス金利拡大でも円やユーロが売られなかったことから、今後マイナス金利政策の効果に対して懐疑的な見方が広がることが予想され、日銀としては追加緩和の手段が狭まってしまった可能性があります。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト