マーケット

ECB追加緩和示唆でユーロ大幅下落

【著者】

昨日からの流れ

昨日はECB理事会で市場予想通り金融政策が据え置かれた後、ドラギ総裁の記者会見にてインフレ期待が低下し、利下げも含めたあらゆる手段を12月の会合にて発表する可能性があると表明したことを受けてユーロが急落、全面安となりました。

米国時間に発表された中古住宅販売件数は市場予想を上回る好結果となり、ユーロ下落で強まったドル買いを後押しし、ユーロドルは現在1.11を割り込むところまで押し込まれる推移となっています。

欧州時間に発表された英国小売売上は前回分は下方修正となったものの、9月分は市場予想を大きく上回る好結果となり、ポンド買いが強まりました。対ドルではその後、押される動きとなりましたが、対ユーロ、対円では底堅い推移が続いています。

主要通貨ペアの推移(2015/10/23)

USDJPY

ドル円はドラギ総裁の記者会見、米中古住宅販売件数が市場予想を上回ったことや堅調な株式市場の後押しを受けて底堅い推移となり、121円台に迫る動きとなりました。日足チャートでは121.30付近が9月からのレジスタンスとなっており、しっかりと上抜ける動きとなると、上昇に勢いが付くと考えられ、8月28日の高値である121.75が意識され、上抜けると123円トライを目指した波動となる可能性が高まります。

ドル円

EURUSD

ユーロドルはドラギ総裁の会見後は下落が続き、1.11を割り込むところまで下落する動きとなりました。9月3日のサポートとなっていた1.1087付近を下回る動きとなっているため、さらに下値を切り下げる可能性も十分に考えられます。ただし、昨日は大きな下落後の週末ということで、利益確定の短期的な反発にも少し注意が必要です。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円は保ち合いを下抜けるような動きとなり、134円を割り込むところまで押し込まれる動きとなっています。保ち合いを抜け出したことから下方向への動きが強まりそうな状態ですが、これまでサポートとして幾度と下落を食い止めた133円台が迫っており、この水準をしっかりと下抜けることできるかどうかに注目が集まります。また、本日は大きな下落後の週末ということもあり、多少の利益確定による反発にも注意が必要です。レジスタンス候補としてはそれまでのレジスタンスである135.00付近が意識されます。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは英国小売売上の発表後に上昇するものの、その後のドラギ総裁の記者会見、米中古住宅販売件数により強まったドル買いに上値を抑えられる展開となりました。日足チャートでは長い上ヒゲを残す足となっており、本日も上値の重い推移となりそうな状態となっています。

現在、1.538付近がレジスタンスからサポートに転じており、1535付近までで踏ん張れるかどうかが分かれ目となりそうです。上は.155を少し抜けたところが強力なレジスタンスとなっているため、しっかりと上抜けたところでは上昇が加速する可能性が考えられます。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは0.72を下抜ける動きとなりましたが、対欧州通貨で底堅さを見せたこともあり、下げ渋る動きとなりました。ただし、上値の重さも残っており、本日は方向感を見極める1日となりそうです。サポートとなっている0.718付近とサポートからレジスタンスに転じた0.724付近のどちらに抜けていくかで今後の方向感を探っていきたいところです。

豪ドル

本日の注目材料

本日は欧州時間にユーロ圏のPMIの速報値、米国時間にはカナダの消費者物価指数、米国製造業PMIの発表が予定されています。ドラギ総裁の会見で追加緩和示唆で大きく動きた直後ということもあり、ユーロ圏のPMIへの反応は薄いかもしれませんが、弱い結果となれば追加緩和観測を強めユーロ売り、強い結果となれば追加緩和観測を緩め、若干の反発と素直な反応を見せる可能性があり、直近での弱い結果→リスク回避→ユーロ買い、または強い結果→リスクオン→ユーロ売りの反応から変化があるかもしれません。

米国の製造業PMIは弱い結果となってしまうとISM製造業景況指数の50割れも意識されます。製造業の冴えない結果には市場も慣れてしまっているため反応は薄いかもしれませんが、一応の警戒は必要です。

本日の予定

欧州中央銀行(ECB)専門家予測調査
16:00 仏10月製造業・サービス業PMI(速報値)
16:30 独10月製造業PMI・サービス業PMI(速報値)
17:00 ユーロ圏10月総合PMI・製造業・サービス業PMI(速報値)
21:30 加9月消費者物価指数
22:45 米10月マークイット製造業PMI(速報値)

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト