ECB追加緩和決定も量的緩和は次回以降 6/6

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外国為替マーケット情報|2014/06/06

一旦ユーロ買戻し

昨日の海外時間には、ECBが追加利下げを決定したことからユーロ売りが一時強まりましたが、直接的な量的緩和が実施されなかったことなどからその後ユーロの買戻しが優勢となって、結局追加利下げ発表前よりもユーロ高の水準となっています。

欧州時間序盤、ECB理事会の決定を前に各通貨ペアとも小動きがとなりました。その後ECB理事会が終わり、政策金利の引き下げが発表されました。短期金利の上限となる、限界貸付金利を0.75%から0.40%に、政策金利である1 週間物リファイナンス金利を0.25%から0.15%に、中銀預金金利を0%から-0.10%(超過準備に対してもマイナス金利を適用)にそれぞれ引き下げられました。リファイナンス金利が0.10%に引き下げられるのでは、との予想が多かったことから一旦ユーロ買いが強まりましたが、中銀預金金利のマイナス化が実施されたこと、限界貸付金利の引き下げ幅が大きく、短期金利押し下げの意図が強く示されたこと、一段の措置が声明で発表されるとされたことからユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.3550台まで、ユーロ円は139.00円付近まで下落しました。

NY時間にはいって、ドラギECB総裁の会見では政策金利の引き下げ以外にも、期間4年・4000億ユーロのLTRO、証券市場プログラムの不胎化オペ停止、固定金利・全額供給オペを2016年末まで継続、ABS買い取りに向けた準備を加速、などの措置が発表されました。またこの日の決定が独連銀のバイトマン総裁を含む前回一致だったことも強調されました。そのためユーロは一段安となってユーロドルは1.3500台まで、ユーロ円は138.60円台まで下落幅を拡大しました。しかし、一番の注目点であった直接的な量的緩和(ABSの買い入れなど)が決定されなかったこともあって、その後ユーロは買戻しが優勢となって、ユーロドルは1.3670付近まで、ユーロ円は139.90円台まで上昇しました。

この間ドル円は、ECBの追加緩和決定をうけて米長期金利、日経平均先物が上昇したことから102.70円台まで上昇したあと米長期金利、日経平均先物が反落したことから102.30円台まで反落しています。

今日の海外時間には、独・4月鉱工業生産、独・4月貿易収支/経常収支、英・4月貿易収支、加・5月失業率、米・5月雇用統計の発表とコンスタンシオ・ECB副総裁の講演が予定されています。

今日発表される米・5月雇用統計の市場予想ですが、非農業部門雇用者数が21.5万人増、失業率は6.4%などとなっています。米長期金利は一時の2.40%付近からやや戻してはいますが、引き続き金利上昇を前提とした債券売りのいポジションが拡大しているもようで、雇用統計が予想よりも良い結果となった場合も、先月のように米長期金利の上昇が続かず、ドル買いも続かない可能性が強いと考えられます。一方予想よりも弱い結果となれば、比較的素直にドル売りが強まるのではないでしょうか。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

プライスはすべてを織込む!チャートで世界を見通せ 高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト