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明日、いよいよECB理事会

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外国為替マーケット情報|2014/06/04

追加緩和決定へ

明日ECB(欧州中銀)の理事会が開催されます。

ECBは「物価安定の数値的定義」として2%のインフレ率を政策運営の目標としています。

ところがユーロ圏の消費者物価指数は、2013年前半から1%前後の推移となって、特に2013年10月からは0.7%から1.0%の間を行き来する展開となっていて、今後現在の状況が長期化しそうな状況になっています。

ECBの理事らは、この問題にたびたび言及していることから、昨年末から追加緩和の期待がたびたび市場に広がりました。特に今年2月には理事会直前に発表されたユーロ圏消費者物価指数が予想から下振れたことから、追加期待が大きく膨らみましたが、実際に何も決定されませんでした。期待を裏切られた市場では、ユーロの買戻しが優勢となって、その後約1ヶ月でユーロ1.39台までユーロドルは上昇しました。その後も追加緩和の期待でユーロが売られても、ECBが行動をしないことからユーロ高は続きました。

そして先月5月のECB理事会でまたも政策据え置きを決定したあと、ドラギ総裁が会見で「理事会は次回行動することに違和感はない」と述べたことから、6月の理事会での追加緩和が示唆されたとしてユーロドルは1.40目前からその後1ヶ月で1.36付近まで下落しました。

インフレ率が低迷している大きな原因はユーロ高なのですが、ECBは公式にも非公式にも「為替レートは政策目標に含まれない」と何度も言っていることから、ユーロ高を契機に追加利下げは行わない、と考えられています。そうは言ってもユーロ高を是正しなければ、インフレ率の上昇は見込めない事も事実で、コンスタンシオECB副総裁も5月に「(2012年半ばからの)ユーロ高でインフレ率が0.5%ポイント押し下げられたと説明できる」と述べています。

ここまですでに5月理事会の時点からは約3%ユーロ安に振れていますが、この程度ではインフレ率の上昇が望めないこと、もし今回の理事会で追加緩和を決定しなかった場合、大きくユーロ高に戻ると考えられることなどから、明日のECB理事会では政策金利の引き下げを含むなんらかの追加緩和が決定されるとともに、今後の追加緩和を示唆する発言が出る、と予想しています。

緩和の内容やその後の発言が市場参加者の期待を裏切るものでなければ、当面はユーロ安傾向が続くと予想していますが、もしも梯子をはずすような内容であれば、一気にユーロは買い戻されることになるでしょう。

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チーフストラテジスト 高野やすのり様
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高野やすのり|FXプライムbyGMO

高野 やすのり

慶應義塾大学商学部卒 チェース・マンハッタン、スイス・ユニオン、ファースト・シカゴなどでインターバンクディーラー業務に従事。 株式会社FXプライムbyGMO チーフストラテジストとして、長年培ってきた経験を生かし、インターネット上のコンテンツや、ラジオ、セミナーを通じて正しいFXの知識や、FXの魅力を広める為の活動を行う。 NPO法人日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト