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ECBは追加緩和示唆

【著者】

昨日からの流れ

昨日はECB理事会では金融政策は据え置きとなり、サプライズはありませんでしたが、その後のドラギ総裁の会見にて次回の会合での政策見直しを検討するとのコメントが追加緩和示唆と捉えられ、ユーロが売られる展開となりました。しかし、その後はユーロ売りは続かず、押し戻されるような動きとなっています。この緩和示唆の影響もあり、市場ではリスク回避の巻き戻し色が強まり、株式市場、原油価格も反発、為替相場では円売りが強まる展開となりました。

このECBの追加緩和示唆を受けて市場で連想されやすいのは、来週の日銀の発表と考えられます。日銀の追加緩和、または、黒田総裁の会見に対する期待も高まりやすいと考えられ、ノーアクションとなった場合は「やはり手詰まりか?」と受け取られ、失望の円買いが進む可能性が挙げられます。

ユーロに関してもドラギ総裁の会見で追加緩和が示唆されているため、市場は次回会合で追加緩和を行うというのが当たり前となり、規模を探る状態となり、期待が高まるようであれば前回のように発表された内容に失望となるというシナリオも浮上するため、次回のECB理事会までのユーロの値動きで市場の期待度を探っていきたいところです。また、追加緩和の規模を探るためにもユーロ圏、ドイツの消費者物価指数、ECB関係者のコメントの注目度も以前に比べると高まると考えられるため、今後は注意が必要です。

主要通貨ペアの推移(2016/1/22)

USDJPY

ドル円は上値の重い推移となっていましたが、ドラギ総裁の会見を受けて底堅い動きとなり、117円台後半まで上値を伸ばす動きとなっています。日足チャートで見ると引き続きレンジ内の推移となっており、116.00-118.40付近のレンジを抜けるまでは方向感の薄い動きが続く可能性が挙げられます。

本日はまず、昨日のNY時間のサポートとなった117.27付近を守れるかどうか、レジスタンスとなった118.00付近を突破できるかどうかで方向感を探っていきたいところです。

ドル円

EURUSD

ユーロドルはドラギ総裁の会見にて一瞬1.08を割り込むところまで押し込まれましたが、その後は押し戻し、1.08台を回復する動きとなっています。日足チャートでは保ち合いを一瞬下抜けたものの、その後は底堅い動きとなり、終値ベースでは引き続き方向感の薄い状態であるため、下抜けたとは言えず、線を引き直して引き続き保ち合いをどちらに抜けるかを探っていきたいところです。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円もドラギ総裁の会見で一時162円台前半まで押し込まれる動きとなったものの、その後は底堅い動きとなり、一時128円台に乗せるところまで上昇となった後、現在は127円台まで下落する動きとなっています。日足チャートで見ると一瞬レンジを下抜けたように見えますが、押し戻す動きとなり、レンジブレイクは騙しに終わる動きとなっているため、線を引き直して引き続きレンジをどちらに抜けるかを見守りたいところです。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは欧州時間序盤に1.41を割り込むところまで押し込まれる動きとなりましたが、その後は堅調な推移となり、1.42台に乗せる動きとなりました。依然として下降トレンドの中での推移となっていますが、これまでの売られっぷりを考えると、反発がまだ続く可能性も考えられ、不安定な推移が続くことが想定されます。また、欧州時間の小売売上の発表前後は結果により大きく上下動すること可能性があるため、注意が必要です。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは資源価格の反発に併せ反発する動きとなりました。本日は反発がどの程度続くかを探っていきたいところです。先週のレジスタンスとなった0.705付近を上抜けるような動きとなるとストップ買いを絡め短期的に上昇が一気に強まる可能性もあるため、警戒が必要です。

豪ドル

本日の注目材料

本日は欧州時間にユーロ圏のPMI速報値、英国の小売売上の発表が予定されています。ユーロ圏のPMIは相場を動かす材料としては役不足と考えられ、影響は限定的と考えられます。英国の小売売上に関しては発表前後でポンドが大きく反応する可能性が挙げられます。
その他、ドラギ総裁、ワイトマン独連銀総裁、ノボトニー・オーストリア連銀総裁、クーレECB理事の講演などECB関係者の講演が続きます。ドラギ総裁の講演は昨日のECB理事会後の記者会見から大きな変化はないと考えられ、注目はワイトマン、ノボトニーといったタカ派色の強いメンバーのコメントで、彼らの口から緩和に積極的な言葉が出てくるとユーロ売りで反応となり、逆に、昨日のドラギ総裁の会見と相反するような追加緩和に否定的なコメントとなるとユーロ買いとなる可能性も挙げられ、波乱要因となるかもしれません。

米国時間は米国の中古住宅販売に注目が集まります。冴えない結果となった前2回の結果からの反動が見られるかどうかに注目が集まります。
また、昨日からのリスクオフの巻き戻しの動きが続くかどうかにも注目が集まります。原油市場では依然としてショートポジションが多く溜まっていることが想定されるため、いったん反発が始まると短期的に急騰という可能性も有り得るため、資源国通貨の動向にも警戒が必要です。

本日の予定

16:45 ドラギECB総裁講演
17:00 仏1月製造業・サービス業PMI(速報値)
17:30 独1月製造業・サービス業PMI(速報値) 
17:30 ワイトマン独連銀総裁講演
18:00 ユーロ圏1月総合・製造業・サービス業PMI(速報値)
18:00 ノボトニー・オーストリア中銀総裁会見
18:30 英12月小売売上高
18:30 英12月財政収支 
21:00 カンリフBOE副総裁講演
21:00 クーレECB理事講演
22:30 米12月シカゴ連銀全米活動指数
22:30 加11月小売売上高 
22:30 加12月消費者物価指数
23:45 米1月マークイット製造業PMI(速報値)
翌0:00 米12月中古住宅販売件数 
翌0:00 米12月景気先行指数 

1月24日(日)
ポルトガル大統領選挙

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OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト